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根が深い不正問題

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岐阜県の食肉業者が不正をしたとか。有名な会社だし、愛知にも進出しているスーパーにも卸されていたそうだから、きっと僕も食べてる肉・・・

と言おうと思ったのですが、霜降りなんて食べないのです。ウチは。(笑)
友だちとバーベキューするときくらいが、ちょっと良い肉を食べる日で、普段の食生活で食卓で焼き肉をやったり、ステーキを食べたりということは、めったにない。

この手の事件があると、半分くらいは

ワンマン社長
創業家庭の傲慢

のようなことが取りざたされて、

社長 「社員がやりました」
社員 「そんなはずはない、社長が指示したんだ!」

とやり始めます。申し訳ないけど、消費者はどちらの味方になることもありません。
むしろ、どちらも責められるところはあります。

概ねこんな会社では、社長は社員にたいして横柄な態度で、全く信頼していません。創業家庭は、自分たちの生活は社員を含め、みんなで支え合って成り立っているという自覚がないので、見下していたり。

社員は当然社長のことなんて何にも思ってなくて、同僚と飲んでは、

「全員いっぺんに辞めたろか? 会社つぶれるに。 誰のおかげで会社存続してると思ってんだ?」

みたいなことを言っている。社長の鼻をあかしてやりたい、という気持が日々潜在的に、というかほとんど頭の中を全て占めてしまうほどの嫌悪になってしまいます。でも、自分の生活や、次の仕事の事を考えると、実行にうつすわけにはいかないから、余計にストレスを溜めてしまうのです。

大嫌いな社長が不正を指示した。
指示に従った。
不正がばれた。
社長に責任をなすりつけられた。
(世間は社長の言葉を信じていません。いや、仮に真実であっても関係ない。なぜなら、会社の不正の責任は全て社長にあるのだから、社員が勝手にやったことも社長の責任です)
社員がメディアに実情をばらす。
社員 対 社長 の構図ができる。
社員のコメント 「社長は謝罪したが、納得できない」

納得できないのは、消費者なのです。
賞味期限には色々な言い分があると思います。何十年も前の未熟な冷凍技術の頃の常識が、冷凍機器会社の開発努力を無視して存続しているということも聞きます。

でも、世の中は、誰かの独断や、会社独自の判断、をあまり認めてくれません。

だから、不正をやっていることを自覚しているのに、自分の保身のためにそれを続けていくことが、何を自分と社会にもたらすのかを考えたいところです。ちょっと勝手な想像だけど、

社長にたてついたら会社を辞めなきゃならない。
家族がいるのに、そんなことでは困る。
でも、この不正がばれたら、あの会社やこの会社、あんな会社みたいになってしまう。
遅かれ早かれバレルだろう。
どうしよう。
まあ、でもこんなことくらい他社でもやってるし。
うん、今時そこまで正直にやってたら生きていけないよ。
あの男、有能だから転職先が決まったらしい。
あいつ、告発して辞めるんじゃないかな?
告発されたらどうしよう。
ああ、でも今日も一日疲れたなぁ。
何にも考えたくないよ。

と、毎日やっているうちに、慣れてしまいます。
そして、ついにその

X デイ

が来てしまって、社長も社員も保身のために、世間から悪者扱いされないように、批判・批難されないようにと、大きな渦巻きの中で自分を守ろうと必死になってしまうのです。

別に、この会社の事だけを言ってるわけではありません。
これは、誰にでも当てはまります。

正義を貫いて、正しいことを主張しまくっていたら、実際生きていけるのかどうか。
見る人によっては、偽善だと言ったり、逆にワガママ扱いされたり。

正しいことを主張するのにも、確固たる意志がなければできません。
そんな確固たる意志を貫いて、生活・家族をなげうって正義を主張できる人は多くないです。
だから、テレビドラマや映画になるんです。

人間には弱いところがあります。

だから、金儲けのために

独善的な合理性の追求

をさせる雰囲気を作ってはいけないし、時限爆弾をかかえて営業するなんてことはすべきではないのです。時限爆弾を一つ抱えてしまったら、あとは2つ、3つと増えるだけ。

行くところまで行って、消費者不在で、

「社長が人のせいにした」
「いや、そんなことはない。社員が勝手にやったんだ」

という醜態をさらすことになってしまいます。

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