ゲラゲラ笑ったわけではないのです。
カーネギー名言集 ドロシー・カーネギー編 ISBN4-422-10055-6
歴史に名を残す人物達の一言集なわけですが、これを読んで1時間ほどで笑いがこみ上げてきました。どんな笑いなのか説明するのに、突然ですが、
僕はタバコを全く吸わないので、タバコの味について一言も感想を言えません。
この本には、偉人達の、
悩んだ姿
がありありと見て取れるのです。そして、その言葉が心に響く、共感するのです。
偉人達が僕のような普通の人間と“悩み”に関しては同じ体験をしてきたということ。
言葉としては、
「悩みなんてのは、こうしてこうしてこうすれば解決。
外へ出ろ!
くよくよしててもはじまらない。
怖がっててもしかたがない。
過去の失敗は忘れろ」
と、僕らに語りかけるような雰囲気なのですが、先のタバコの例と同じく、
自分が悩み、
一人部屋に閉じこもり、
くよくよして、
恐れ、
失敗を後悔した
そんな経験をしてきたから、こんな言葉が出てきたということです。若きデール・カーネギーが、自分の失敗を気にやんで、一人家に引きこもりくよくよしていた所を想像できませんが、
そんな経験があったはず。
本には、子供の頃は臆病ものだったと書かれていますが、大人になってもその性質が抜けなかったことで悩んでいた気配があります。
そこを乗り越えて、「こんな非生産的なことはない!」と生きてきた、その姿に共感と感動の
笑い
が湧き出てきました。次元は違えど、
悩みを持っていることが、生きている証拠であって
悩みを克服していくことが、生きること
なのですね。
偉人達は正直です。
虚勢を張っている人はひとりもいません。
自分の弱いところをよく知って、具体的にその弱点を克服する方法を探し出そうというプロセスがスケールアップして、結果的に世界を助けてしまった。
これが偉人が生まれるプロセス
のように感じます。
その結果、皆が口を揃えて、
「他人の幸せのために生きる」
と言っているのは、人間の生きる目的はこれしか答えがないということを如実に物語っています。これは宗教を越えています。自分の生き方や、人生の意味や、「なぜ生きる?」という答えは、
人のためになるため
以外にはあり得ないようです。ここ以外の「生きる理由」を持っているとしたら、まだゴールに達していないという証拠なのでしょうね。
偉人もこれだけ悩んだのです。
スケールが違うだけで、誰もが同じことを悩んでいたのです。
それが、気持ちよく笑えた理由です。
偉人を身近に感じました。
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