「読み聞かせの方法」 というキーワードでこのブログを訪れる方が多いのに、“愚問” なんて言葉を使うのは少々失礼ではありますが、話のポイントを明確にする都合上我慢していただくことにして。
我が子に読み聞かせをしてあげたい
と考える、そのスタート地点は大正解です。ところが、読み聞かせの方法が分からないというのは、質問の意味を考えると肌寒いものがあります。物語というのは、感情をつたえるものです。この頃は、
自分の説明書
みたいな本が流行っているようですが、感情に
説明書
は存在しません。感情は、意図的に起こす物ではなく、脳内の化学物質が反応した結果としてわき上がるものです。
ただし、その強弱はそれぞれの人の人生経験に左右されるため、“感受性” という強弱を評価するような言葉が存在します。感度のいい人、わるい人がいるというわけです。子どもの絵本を読んでいて、喜怒哀楽など、
「何も感じない・・・」
と言うのであれば、それは明らかに感受性が低い証拠です。逆に言えば、何かを感じたらそれを伝えるために、文字に思いを移して声にだすのです。それが、読み聞かせです。
「どうやって読み聞かせをしたらいいですか?」
「どんな本を読み聞かせたらいいですか?」
という質問が、愚問だという意味が分かっていただけると思います。
もし、色々な話を聞いて何も感じないとしたら、まず親がたくさんのストーリーに触れ感動することが先決です。感情のない親に育てられる子どもが良い子に育つわけがありません。ただし、“怒り” “嫉妬” というのも感情ですから、感情にも好ましいものとそうでないものがあることは付け加えておくべきでしょう。僕が言いたいのは、感動とか、共感、親近感というプラスの感情です。ここまで言わなくてもいいか。(笑)
別に本をたくさん読まなくてもいいのです。
街を歩いていれば、
・ 笑っている人
・ 怒った顔をしている人
・ 疲れ切っている人
・ 叱られている子ども
・ 叱っている親
に出会います。その方達を見て、どう感じるのか。人でなくても、
・ 捨て犬
・ 捨て猫
・ テレビで見る怪我した動物
でもいいのです。何を感じるのか。
捨て犬を見て、逞しいと感じることもあるし、悲哀を感じることもあります。
子どもの物語は、こんな感情が間違えにくい表現で書かれています。
だから、最初の数頁を読めば、
「この話は、弱い主人公が逞しく成長していく物語」
「この話は、悲しい経験を通して、大切なことを学んでいく物語」
と分かります。だとしたら、読んでもらう子ども達が、強く逞しくなっていく姿を想像できるように読んであげてください。そうでなく、悲劇的な話なのだとしたら、最後には涙を流すような読み方が必要になるでしょう。
読んでいて感極まって声が震えるくらいが良いのです。
さあ、
どうしたら感極まることができますか?
という質問が愚問なのは分かります。
読み聞かせというのは、
「育児本がすすめるからやる」
のでは断じてありません。
何を親として伝えたいのか、どんなことにどんな感情を持ってもらいたいのか
それを親自身が知らずして読み聞かせなんて意味がないのです。
だから、石川家で良いという本が他人にとって良いのかどうか分かりません。僕には僕の選択があり、皆さんには皆さんの選択があって当然なわけです。
「どんな本を読んであげたらいいですか?」
という質問は、親が怠けている証拠です。
時間がない、ヒマがないというのであれば、子どもを育てる手間を惜しんでいるということです。
では、どうやって読むべき本を探すのか? 簡単です。
親が読み聞かせる前に、自らその本を読んで、感じる物があるストーリーを疑うことなく選べば良いのです。
つまり、自分が好きな本を読んであげたらいいんです。
僕は、そっぴくんが生まれる前から、自分が小学生の頃好きだった本を古本屋で買い集めていました。
それは、まだ見ぬそっぴくんのためだったのか?
実は、僕が欲しかったんです。(笑)
読み聞かせってのは、そういうものです。
僕は伝えたいことがいっぱいあるのです。
それをお話に託して、小さい頃からそっぴくんの頭に刷り込んでいるいるようなものです。
推薦図書なら問題ない、自分で選ぶのは不安だから、といっている親が読み聞かせても、効果は半減してしまいます。
(ただし、ゼロではありませんから、安心してください。半減です)
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