Home » 勝ちだの、負けだの、くだらない

勝ちだの、負けだの、くだらない

 | 

昨日 「ライフ イズ ビューティフル」 を見て、妙な連想をしてしまったのです。

ハイブリッドというのは、ガソリン代が少なくできるかわりに、車が高価なものだと思っていました。
確かにガソリン代は安くなるけど、同格車種と比較して非常に高いからその差額がオイル会社ではなく、 T社 に入るような仕組みだとばかり。(笑)

あくまでも売りは、 環境に優しい

であって、

燃費が安くなる

というモノではなかったはずなのに、勝手に世の中がそう捉えて 「ガソリンが高い時代だから、ハイブリッド」 を唱えだしました。ちょっと違和感があるのです。考えてみると、宣伝露出の物量作戦というのは、凄い効果があります。ちょっと前は、

「年に一回しか満員にならない10人乗りのミニバンで一人通勤する不合理」

を売りまくっていた自動車会社各社が、ガソリンが高くなったらことさら環境と言い出す。
右手で掘って、左手で埋めるというやつです。

常に裏表の隠し球をとっておいて、うまく煙に巻いて、どちらに出ても自分達の利益に繋げる。

僕自身、日本の自動車会社の歴史に育てられてきました。
20代後半まで、1社の車にしか乗ったことがありませんでした。
そんな法律があるのだと、真剣に信じていました。(^_^;)
そうして、自動車業界の“勝ち組”に育てられた反動で、今は、ある企業に対して批判的なのです。

でもね、勝ち組勝ち組と言われながらも、実は社員の家庭にまで目を向けたら、本当の勝ち組なんてどれくらいいるのかな?と思わせるほどだし、個人個人を見たら歳を取れば取るほどそれは際だって、普通の人の集団になっていくのです。世の中の人達が、

勝ったの負けたの

と言っていると、

わざわざそんなことを勝手に自覚して苦しんだり喜んだりするのは無駄なのに

と思います。今はどうだか興味ないけど、

会社のために家庭を顧みない生活がどんなものか。
小学校の高学年になるまで、父親と暮らしたことがほとんどない生活がどんなものか。
(その親子関係がどうなったのか?父親がいるはずなのにという意味で)
親が一度も自分たちの前で仲良くしていたことがない中で育つ子どもの気持がどんなものか。
(その親子関係がどうなったのか?)
社名だけで周囲が変なイメージを持って、それに合わせて見栄を張る生活がどんなものか。

勝ち組の礎になっている、そういった無数の家庭を見ると、勝ち組とか、負け組とか空しすぎるのです。

一流企業なんかに入っていなくても、多くの人に喜ばれれば勝ち組でしょう。
そこから経済的に成功すればいいのでしょうけど、そうじゃなくても関係ありません。

かといって、人生を捨ててしまえというわけではなくて、もっともっと人のためになるように、人を喜ばせることができるように努力すればいいわけです。場合によってはその結果として、経済的な成功があるかもしれないのです。

そんな努力をしている人達をひっくるめて、勝ちだの負けだの言っている人達は、あほです。

ちょっと言葉が荒れました。
「ライフ イズ ビューティフル」 他人事ではないのですよ。
人間はいつまで、歴史から学べない生き物でありつづけるのでしょうね。

こんな記事もあります。

制度が信用できないのではなく on December 25th, 2007

バナナ・納豆・ところてん・情報社会 on October 16th, 2008

習わせるダンスと自己表現 on November 27th, 2007

善良なら、悪魔になってもいいのか? on October 21st, 2007

すごい自信だな on March 22nd, 2011