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“本音”が、人生を蝕む

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秋葉原の事件といい、この頃の事件はネット上に自分の心情を吐露した書き込みを残した犯人が多くなっています。

「ネットは本音で語られる」

と言われているし、匿名だから便所の落書きと言われていたこともあります。
本音には違いない。間違いなく本音です。

“本音” って、正直と同列で語られて、あたかも良いことみたいに思われていますが、“正直さ” と “正直の領域に属さない本音” は分けて考える必要があります。

“正直の領域に属さない本音”

人生にとってこれほど邪魔なモノはない!!

この “本音” に振り回されると、冗談抜きで生きているヒマがなくなります。
その根拠は、何かの本で読んで僕のノートに書き写してあった出所書き忘れのデータです。 (^_^;)

ある研究によると、人の脳は一日に4?5万の “考え” を巡らせるそうです。

驚いたことに、5万のうち自分に対して発せられるのは、90%なのだそうです。
さらに、そのウチの75%がネガティブ思考なのだとか。

75%がネガティブ思考!!
普通の人でも、これだけ一日を無駄に使いながら、自分自身をこき落としているんです。

これが、人が毎日自然に持つ “本音” の姿です。

ちなみに、この“本音・考え”というのは、深い思考ばかりではありません。
例えば、今僕が、「つまり・・・」 と書いてから、「あ、やっぱりやめよう」 とデリートを押す。同時に、屋外を走る車の音を聞いて、「車の音だ。うるさいなぁ」とか考える。これらのブツ切りの思考を全て数え上げると、起きている間だけで4?5万という意味です。

秋葉原の犯人は凄い頻度で掲示板に書き込みをしていました。
それでも、日に自分に向けられるネガティブ思考の1%にもならないでしょう。

掲示板に書くことで気分を発散させている人。
書き込む頻度が高くなってきたら、

本音に自分自身が蝕まれつつある証拠です。

まだまだ何万個もの “本音” が待っているのですから、書けば書くほど満たされないのは当たりまえです。こうして、具体的な数字で見てみると、なぜ今まで人が

“本音”

を意識的に抑え込んで、外に出さないようにしてきたのかが分かる気がします。

インターネットという便利な道具ができて、自分の心情を吐露することができる場所を与えられ、汚い物を吐き出しても吐き出しても満たされないというのは、こういう理由があるのかもしれないってことです。

今まではおおらかに

「ま、しゃ?ないね」

で済んできたことまで全て蔵出しして不満を正直に書いていれば、小さなことまでもが全て

捨て置けないこと

に変わります。そして、吐き出さなくてもよかった不満に思い悩む悪循環に陥ります。
そんなものに付き合っていられません。
全ての本音を、全て本音で語っていたらキリがありません。
バカバカしいよね。

わざわざ自分を苦しめてまで “本音” に翻弄されてどうするの?

こんな記事もあります。

厳しく言ってくれる人 on February 12th, 2008

危ない(?)モノが続々 on November 9th, 2007

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