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自分らしく生きると言うけれど

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「自分らしく生きる」

という言葉を聞きます。
自分らしく生きることがいかに難しいかを、女性アナウンサーの自殺のニュースで感じました。

いつか、ハリウッドの MAW (http://cobeat.sakura.ne.jp/untamed/blog/archives/108) について書いたことがあったけど、本人は報道を志していたのに、バラエティーの仕事ばかりだったとか。

自分の意図しないところで、自分の意図しない存在を、大勢の人に “消費” されてしまう

本人を無視して勝手に動いていってしまう。
理由は、大きなお金が動くからかもしれませんし、その他の思惑があったり、誰かが短期的に利益や数字を上げようとしたのかもしれないです。とにかく、 “タレント” というのは、方向転換がきかない。バラエティーから、報道へ、アイドルから演歌歌手へ、こんな大転換には相当な苦労がつきまといます。

生きている彼女を置き去りにして、

「さあ、この料理を作るから材料を集めてよ」

並べられた “材料” は、本人が出したいと願う味ではなく、

大衆が求める、彼女の姿

を元に料理されていくのです。相当な苦しみがあったと思います。
報道で社会の姿を見つめていきたいと思っていた人が、どうでもいいようなことに大げさなリアクションを競うバラエティーの世界は辛かったでしょうね。

ただし、報道の世界に入っていきたかったとしても、一朝一夕には自分につけられてしまったイメージを払拭することはできません。できれば、歯を食いしばって挑戦しつづけてほしかったです。

しかし見ていて本当に腹が立つのは、ネット上の書き込みです。

人の死までもが、

気の利いたことを言う虚栄心

の対象でしかなくなってしまったようです。他人が死ぬほどに悩んだ、その悩みに共感できようができまいが、亡くなった方まで冗談の対象にしてしまう人がいるのは、とても情けないことです。

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