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意識下だけで存在する美しさ?

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ずいぶん前の話になってしまいましたが、Mac G3 という青いポリタンクみたいなパソコンを使っていたとき、ネットでこんな話が出ました。

「サイドのアップルマークについている保護フィルムを剥がすか剥がさないか」

G3の横にはつやつやのアップルマークがついていて、それにキズ防止用のフィルムがかかっていたのです。僕はこういう物はすぐに剥がしてしまうのですが、大切にそのまま取っておく人もいます。あるアメリカ人のコメントになるほどと思ったのは、

「あなたは誰のためにそのアップルマークを守っているのか?
 次にあなたから中古を買う人のためか?
 もしそうなら、自分のためにあの美しいマークを輝かせた方が楽しいんじゃないの?」

その通り! 取っちゃえばいいじゃない、そんなの!
それは、あなたに美しさをお届けするためのフィルムです。
購入者の手でフィルムを剥がして、美しさを “解放” してもらうことが販売者の本望。(笑)

僕の周りでも、新品の携帯についた出荷時のキズ防止フィルムを大切にぼろぼろになってもはり付けている人がいます。今でも、車のサンバイザーなどにかかっているビニールのカバーを取りさらず、白っぽく風化してもどうしても取ろうとしない人がいたり、色んな家電のフィルムは

保護のため

として貼りっぱなしの人は多いです。
でも、考えてみたら、保護フィルムにキズが付いたからといって、

「よかった、保護フィルムが傷ついただけで、本体にキズがつかなかった」

という人はいても、

「よし、保護フィルムにキズがついたから、新しいフィルムに替えよう」

という人はあまりいないのです。

「フィルムが守ってくれている」 という意識

に満足して、傷だらけの保護フィルムを貼りっぱなしにしておくのと、本体にキズが付くのと何が違うのか。もちろん、本当に深い傷がついて割れてしまうことがあるかもしれないけど、そこまでのキズだとフィルムをつけていても、本体は無傷というわけにはいかないわけだし。

そもそも、これまでに何回か替えてきている携帯で、バー型(折りたたみできない)も含めて、そこまでのキズがついたことないんですよね。(笑)

昔は、

リセールバリュー

という言葉がありました。でも、ここまで何でも安くなった時代に、リセールバリューってそれほどないです。あるとしたら、少し程度のよい中古というだけで、それほど価値はかわらない。だいたい、携帯の中古が一般的ではないし。

パネルを触るカーナビだと、表面に

機能がある

わけだから、ちょっと保護しておいた方がいいかな?とも思うんだけど、ただの見てくれ(Macのマークや、光沢面の保護)なら、さっさと取ってしまって、

自分自身でその美しさを、   傷が付くまでの間   楽しむ。

その方が幸せになれると、個人的には思います。

「傷だらけのフィルムの下で、キレイに守られ続けている何か」

に価値を感じる人って多いんですね。それは、意識下の

オレのアップルマークは美しいままなんだよね? ♪

・・・・ たぶん。

オレも実際は見たこと無いけど。 (製造工程で既にキズがついてたりして)

それとも、タダの無頓着で、フィルムなんか目もくれないだけか。
ちなみに、保護されたロゴ以外の所はどんどんボロっちくなっていくから、ロゴだけキレイでもなぁ。
まさに、意識の下だけでしか存在できない美しさの悲しさです。(笑)

部屋の掃除をしていたら、古いG3が出てきて、この話をふと思い出しました。
これで、映画を何本も編集した、懐かしいマシンです。
僕の最後の Mac 。
色々問題ありました、こいつも。(笑)

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