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芸術と恐れ

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アーティストの友人にすすめられて読んだ本です。

Art and Fear

芸術を志している人達の間に必ずある、

恐れ

をテーマにした本。

長編映画のシナリオを書いていたとき、30ページくらいはぐんぐんかけるのです。でも、そこを越えた辺りから、

「こんなの全然面白くない」
「このまま書いてもダメだな」

そういう気持が必ず出てくるのです。そこで、

「筋を考え直した方がいいかな」

とか余計なことを考え始めて、うんうんいっているうちに、

「やめた!」

と放り出してしまうことがしばしば。締め切りがあるわけでなし、待ってる読者がいるわけでなし、という投げやりな気持が芽生えてきて、気分転換にコーヒーでも、なんてやり出すともう何日もシナリオに向き合わなくなってしまう。

確かに締め切りがあるわけではないし、待ってる読者もいない。

でも、自分自身の人生には確実に

待った

をかけているわけです。

シナリオを教えてくれた教授が言っていました。

「途中でどんなにつまらないと思っても、最後まで書くこと。最後まで書いたら、それをゴミ箱に捨てて、もう一度最初から書き直す。また最後まで書いたら、ゴミ箱に捨てて、もう一度書き直す。これができないのであれば、最初からシナリオなんて書こうと思うな」

自分が何かをやろうと決めて行動を起こしたら、何が何でもやりぬくこと。
途中、色々な修正を入れたり、計画通りにいかなかったり、苦しい思いをする時もあります。でも、そこで止めてしまうのであれば、最初からやらなかったのと結果は変わりないのです。

本当の努力は、達成まで、あとどの程度まで来ているのかなんて絶対分かりません。
あと薄皮一枚破るだけで

達成!

なのかもしれないし、分厚い岩盤が何メートルも続くのかもしれないです。
でも、やると決めたらやるしかない。

楽しいところ、良い思いのところだけを味わいたい、という希望を持っているのだとしたら、この時点で挫折しているも同じです。

Art and Fear

を読んだとき、

「世の中の人って、みんな同じ苦痛を味わっているんだ。
それで、どこかで逃げるか、苦痛を受け続けてもあきらめないか
その二通りしかないのか」

と衝撃を受けました。

苦しい思いがイヤなら、最初から夢なんて見るなと言いたいのか。
僕は夢を見続けたいけど、夢を見続けるだけってのはイヤだな。(笑)

現実化させないと。

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