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プロの世界

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土屋圭一さんという有名なレーサーがいます。
彼の本を読んで、とても感銘を受けた一言(一節)があります。要約すると、

「若い頃あるレースで入賞した。自分にとって入賞はうれしいことだったから、スポンサーに喜び勇んで電話したところ、

『入賞か・・・・』

という反応があった。プロというのは、そういうものなのかと実感した』

この下りを読んで、どこか相手が許してくれるのを期待していた自分を恥じたことがありました。
映画をやっていた頃もそうです。

ローバジェットフィルム つまり、低予算映画

は、アメリカでは一大マーケットになっています。低予算といえども侮れません。
その低予算映画の制作では、

「低予算だから仕方がないでしょ」

という甘えは一切許されません。低予算だから、70点の平均点以上取ればいいのかといえば、そうではありません。

120点取らないと認められないぞ

学校でいわれたのはそういうことでした。
何十億の映画と張れるだけのクオリティーを目指さなければ、認められない世界です。
背筋がひやりとして、その競争の厳しさを再認識しました。

映画というのは、

「オレは映画監督になる!」 というのは非情にカンタンな反面、
「オレは長編映画を作った!」というのは残酷なほど難しい。

監督になると言って、一本も長編を作らずに挫折する人の方が多いのです。

僕は一応、その壁は越えることができました。
でも、平均点(以下?)の映画だったため、結局は痛い痛い洗礼を経験して、一時退却。
それから、早8年経ちました。

一時退却なのか、完全な敗北なのか?

それは、今のところ後者のつもりですが、今のところ再挑戦の明確な目途は立っていません。
正直、なかなか再挑戦に乗り出せない自分に対して憤ります。

オリンピックを見ていて、こんなことを考えていました。自分は、いつまで

“一時退却”

してるんだろう。
せめてもの救いは、僕にとって年齢というものがあまり障壁に感じない、年齢を障壁と感じさせない人達に囲まれているので、何十歳になってもやることができるという気持があるということ。

でも、何歳になってもやれる! = いつでもできるから、後でいいや

という逃げになってしまったら、潔く敗北宣言をするしかないです。
今のところは、一時退却中です。(笑)

ちなみに、僕の映画監督経験は、DIVE LAの制作に100%以上生かされていて、

「限られた予算と資源で、どれだけ高品質で人を楽しませる製品ができるか?」

これを、かなり高い次元で実現できたと自負しています。

これも再挑戦だったのかな、と思いはしますが、やはり映画をやらねば。
どうしても映画を作りたいです。

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