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善良なら、悪魔になってもいいのか?

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報道番組を見ていたら、赤福のその後がやっていました。

営業停止処分を受けた赤福の本店前の映像でした。
表の戸に貼られたお知らせに群がって写真を撮る観光客や、今まで赤福が売られていた売り場を、

どんな他社製品が奪ったか?
そして、その味はどうか?

「全部いっしょじゃ?ん!」(笑)

観光客は“銘柄なんてどうでも良かったのでは?”というコメント。
出演者は大喜び。非常に悪趣味です。

最近よくある、

不祥事
口が滑った
態度が悪い

全てに通じる、その後の周りの対応にパターンが出てきました。

確かに悪いことをしたのです。
処分は当然のことです。
これを否定することはできません。

でも、その“企業”が破滅していく様を喜んで見ている“善良”な人達にも考えなければならない部分があります。

今までの不二家や、雪印のニュースを見てきていますから、赤福の社員の方々、そして家族の皆さんの今後の生活への不安はさぞかし大きいことでしょう。今どうしているのかとても心配です。

不正をした企業の関係者だから仕方がないのか?

赤福の社員の子というだけで、いじめの標的になりつつある、またはなってしまっている子供達もいるかもしれません。収入が断たれれば進学に支障が出てくる子供達もあるかもしれません。もし病気の家族がいたら?
家族は、外を歩くのも恥ずかしいと思っているかも知れません。悪事は悪事としても、同情してしまう一面もあります。

確かに赤福を“法人”として見れば一人です。

でも、法人の裏には数多くの従業員の方々、そして家族がいる。
長い歴史のある会社がこういう事件を起こしたことは憂うべきことです。

その歴史が幕を閉じるところを喜んでみることは僕にはできません。
ましてや、笑顔で写真を撮る人達の神経が理解できません。

この頃、不正を暴かれた企業や、口が滑った有名人に謝罪をさせて喜ぶシーンを頻繁に見かけるようになりました。

悪いことは悪いことです。
だからこの僕の主張に、全く説得力がないことは承知の上なのですけど。

しかし、片っ端から世論で廃業に追い込むことが正しいことなのかどうか。
普通の人達の口から、

「干されてしまえ!」

という言葉がスッと出てくるこの世の中ってどうなのか。

一つ、あってはならないことを懸念しています。

どんな有名企業でも叩けばホコリがでる

そんな気がします。
これを機に一度全国的にホコリ払いをして、リセットをかける必要があるのではないか。

最近は、企業は正しい情報公開を求められています。
それは、

「自分たちは不正をしました」

と名乗り出ることも入っているはず。

ところが、不正を正直に公表して、その上で改善したくても

不正発覚 => 廃業に追い込む

この風潮の中ででも情報公開する会社は許されるのでしょうか?
なんだか許されるような気がしません。

だとしたら情報公開は企業の自殺です。
影響力が大きければ大きいほどためらってしまいます。

結局、最悪の状態、行き着くところまで行った状態で不正が発覚して被害が出てしまうことにならないか。

僕としても100%納得できることではありませんが、どこかで大掃除をしなければならない世の中になっているようです。

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