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不覚にも目頭が

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「なぜ、ホンダが勝ち ソニーは負けたのか」
荻 正道著 ISBN-978-4883924707

あるところの待合室で、この本を読んでいました。

読んでいて、本文中に別の本から引用されていた、ホンダの実質的な経営者・藤沢武夫氏の言葉に出会いました。ホンダがある製品の品質問題から発生した経営のピンチを脱した後に、労組から給与体系への要求が上がった時を思い出して語った言葉です。

支払いを止められ、注文を大幅に減らされてもなお、ホンダを支援してくれた外注業者。そこの従業員が、どのようにして年を越すかと思うと、どうしても組合の要求には応じられなかった。あのとき、もし組合の要求通りに出していたら、ホンダの外注先に対する信用はガタ落ちしたであろう。そうなれば、今日のホンダが存在したかどうか。(「ホンダの原点」)

外注業者を思う藤沢氏の言葉を読んだ途端、不覚にも目頭が熱くなりました。

昔の経営者は、自分と社員、そして外注業者を全て含めた広い視点をもっていました。

日本人にとって正月は特別な意味があります。

年を越える

というのは、日本人の幸せ観の象徴のようなものです。
昔話でも、年を越すという表現はよく出てきます。

家族で笑顔でお餅を食べたり、子供にお年玉をあげたりが普通に出来ない正月って、その年がまるごと台無しになってしまうような惨めさがあります。

広い視点の思いやりをもつことが、今の日本人には出来なくなってきています。

自分だけ、自分の家庭だけ、自分の子だけ、上手く生きていければいい。

いつからこんな風になってしまったのか分かりませんが、

みんなに良いこと

を考えられるようになりたいものです。

昔は微塵も思ったことなかったんですが、僕もそういう歳になったのかもしれません。(笑)

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