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読み聞かせの方法

父親としての最大の仕事が、寝る前の読み聞かせです。

これは徹底して、2歳の頃から毎日続けています。昼間は妻が読み聞かせます。そっぴくんが自分で文字を読めるようになっても、本人が「もういい」というまで続けます。それは、

文字が読める

ということと、

読んで想像して理解する

この二つには大きな違いがあるためです。

子供が文字を読めれば、自動的にその文字から勝手に感情を読み取って理解するとは思わない方が無難です。“ものの感じ方”って親から子に伝えていく大切なことなのではないかと思います。

読み聞かせは、あくまでも親が主観的にとらえたストーリーを子供に伝えるものです。なので、同じ絵本でも家庭によって解釈は少しずつ違ってくることもあり得ます。それに、子供がのめりこむ本もそれぞれに違うので、他の人のおすすめが全ての子に好まれるわけではありません。

読み聞かせがどれほどそっぴくんにとって大切かというと、僕が本気で叱る時には、

「今夜の絵本は無しだ!」

が、何よりも効きます。これを言った途端、そっぴくんは絶叫して崩れ落ちます。
それくらい大切なことになっています。

読み聞かせることによって伝わるのは、家庭の文化かもしれないですね。

ところで、先日図書館に行ったとき、小さなチラシを見つけました。

「読み聞かせ講座を開催します」

・ どのようにして読むの?
・ どのような絵本を読んであげたらいいの?

という質問に答えてくれるのだとか。

本来、こんなことは講座に行かなくても分っていてほしいってのが本音です。

先ほど言いましたが、読むことの目的は、ただ聞かせるだけではないのです。

親の感性を子供に伝える

これが、読み聞かせです。

親が何を選び、ストーリーをどう読み、どう解釈して、どう表現するか?

棒読みでも良いと聞きますが、それはあくまでも

「やらないよりマシ」

という意味です。読み聞かせは親にも多少練習が必要です。
理由は、

「子供を楽しませるため」

人を楽しませるのはとても難しいです。でも、子供は割とかんたんに喜んでくれるので、ちょっとだけ練習してあげてください。

でも、とっかかりがないと始めにくいかもしれません。僕自身が実践している方法をここに残しておこうと思います。何かの参考にでもなれば。

僕が夜、読んであげる冊数は、

絵本が短い頃は、3冊。
今は若干ストーリーが複雑になってきたので、2冊。
本当に長いストーリーの場合は、1冊でご勘弁願う。
そろそろ絵無し、連続物に挑戦させるつもりです。

さすがに買ってばかりで、これは続きません。せっせと図書館に通います。

本を選ぶ客観的な基準は、文字数、出演キャラクター数。

文字数が多い=長いストーリー、は読む方が疲れます。寝る時間の絵本だと、子供は眠くてストーリーを把握できません。小さな子供の場合は、漢字が使われていない本を選ぶと、使われている単語もそれ相応なので楽しめます。

出演キャラクター数、特に同時に出てくる登場人物は、3人くらいが読み聞かせには最適です。そうでなければ、誰が誰と関わっているのかが分かりづらい。

例えばおじいさんの声と、おばあさんの声、そして鶴の化身の女の子。

これくらいなら誰でも声を使い分けることが可能です。「ボブとブーブーズ」のように何人(台)も一度に話しあうシーンは、自分でも読めるようになってからの方が楽しいです。

そして、主観的な基準は、

絵の質
面白さ

です。見て楽しい、聞いて楽しいというわけです。これは、完全に親の好みにゆだねられます。

読み方
僕はこれでも映画監督を目指したので、表紙の題字から演出は念入りです。雪女物ならまず吹雪の効果音をいれなくては読めません。(笑)

気をつけることは、

子供に読む前に親がストーリーを知っておくこと

これは、読み手=監督だから当然です。監督は誰よりもストーリーを理解していなければなりません。読み手が、先に起こる事件を知りながら読む今のページと、行き当たりばったりで読むのでは大きな違いがあります。

絵のトーンに合わせた口調とスピードで読むこと
明るい絵のとき、暗い絵の時、ストーリーのトーンを理解して読みます。

声を使って心理描写
話の導入部分では、子供のあたまの中にこれから始まる世界を創り出さなければなりません。そのためには、子供が耳を澄ましたくなるような状況を作ります。例えば、

暗いストーリーの場合は、
タイトルからゆっっっっっくり読む。間と呼吸はたっぷりとる。

「お  ば  け  む  ら・・・・・」

明るいストーリーの場合は、
高めの声で、若干速めに読む。

人間の性質として、小さな声で話されると「え?なになに?」を耳を近づけるというものがあります。これを利用して、子供が落ち着かない場合は、抑揚を付けて急に声を落としてみると引っかかってきます。たあいもない。(笑)

地の文
セリフ以外の部分を地の文と言います。ここは、心理描写や人と人との関わり合いが説明されている、言ってみれば“神の声”の部分なので、キャラクター部分とは違い、感情をむき出しにする読み方はひかえます。

クライマックスは強く早く読む
良いストーリーは、読み手が読みやすいようにクライマックス部分を、しっかり語呂よく書いています。

僕は、

音読しにくい絵本は読まなくていい絵本

だと決めつけています。読んであげたい本が多すぎるくらいなのに、読みにくいものに試行錯誤する必要はないです。それは、書き手の責任ですから。

エンディングはもったいつけて
クライマックスのスピード感は、その場面(戦いなど)が終わった途端一気にスローダウンです。映画では、ものすごい戦いが終わった後、なんでもなかったような風景が入り、新しい生活や元の生活に戻る様子が描かれます。

ハッピーエンドの場合、戦いを生き延びた人達が集まって、生存を喜び合うような想いのこもるシーンです(例:もののけひめ)。子供の絵本にはここまでの重みは持たせてありませんが、最後の「収束感」が、ストーリーの終わりを感じさせ、感慨深いものにしてくれるのです。

この感覚は、

めでたし   めでたし

と言いながら、本を閉じる動作につながっていきます。本を閉じる動作は映画編集でいうと、

フェードアウト

して、エンディングソングにはいる所です。

だから、裏表紙の絵もストーリーの一部になっているのです。
裏表紙の絵は、ストーリー中にあえて書かなかった“その後”や、含みのようなものの種明かしを、ちらっと見せてストーリーに奥行きを与え、生き生きとさせる効果があります。

お話が終わったら
本を閉じて、裏表紙の絵を見ながらストーリーについて話しあうと楽しいです。

子供はお気に入りの本を見つけると、親がイヤと言うほど繰り返し聞きたがります。うちのそっぴくんの場合は、「ドワーフじいさんのいえづくり」という本を1か月くらい読み続けました。ここまで好きな本は買います。ただし、古い本だと、絶版になっていて探すのにかなり苦労します。

最後に、僕がよくやってしまった失敗を暴露します。

僕は読み聞かせで迫真の演技をしています。(笑)
でも、子供は絵が見たい時があるのです。そんな時、そっぴくんは絵を指さしてお話と関係のないことをしゃべり出します。すると、

「お話聞かないなら、パパやめちゃうぞ!」

と口走ってしまうのです。これは、絶対にいけません。(^_^;)

子供が絵を見たがったら、一時停止して、じっくり見せてあげてください。(笑)

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