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「ライオンの本」を読む人

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地下鉄の中で、僕の隣で同年代のスーツ姿のサラリーマンが本を読んでました。興味を持って覗いてみると、

「アフリカのライオンが云々」

子供用の本ではありません。れっきとした大人向けの動物学の本。

世の中にドップリつかっていたら、今時ならさしずめ

・ FX云々
・ TOB云々
・ 猟奇殺人、その犯罪者の心理云々

時事的なニュースについて“語らなければ”、キーワードを“知っていなければ”と思いがちなんだけど、この人は違うんですね。どういう職業の方か分かりませんが、周りの雑音なんてどこ吹く風、我が道を行くという感じ。(あくまでも僕の想像です)

あるニュースが話題になると、いつの間にか専門家になってしまったような錯覚が起きる。一時は、「ライブドアが云々」と言っていれば、なんとなく物知りになったようで、友人と飲み屋へ行くと隣の席の席から企業買収の話が聞こえたりしました。

“井戸端会議”ってヤツです。

時事的にパッと盛り上がる話題なんて、全然重要ではない。時事ニュースに振り回されず、静かに、着々と力をためている人だけがどこかで力を発揮する可能性を持っている。

その人が力を発揮してニュースになれば、どこかでまた、にわか専門家が井戸端会議という構図がうまれる。

隣で我が道を行くことの大切さを噛みしめてるのを、あの男性は気づきもしなかったことでしょう。(笑)

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