週末、そっぴくんにせがまれて自宅から少し離れたホームセンター近くの公園へ行きました。
まず驚いたのは、人が歩くところを狙って大量に捨ててあるガム、のいたずらでした。例の10円で買えるガムがありますが、あれを噛んで捨てていったヤツがいるのです。
子どものいたずらなので、あまり責めるわけにもいかんけどね。
僕もやらなかったと言えば、ウソになるし。
とはいえ、これを踏んでもつまらないので、木の棒を拾ってきて掃除しました。掃除しながらふと、公園の奥にある屋根付きのベンチの人影に気付きました。
自転車が二台
オヤジさんが二人
空けた缶ビールが何本か
そして、半分に減ったジャックダニエルのビン
ラッパ飲みです。(笑)
昼の2時です。
どんな人かよ?く分かります。
う?ん、あんまり近寄らない方がいいかも。
と思っていたら、そっぴくんが知らぬ間にオヤジさん達がいるベンチの奥へ走っていってしまい、オヤジさん達の視線がウチのボウズに。
そういうことなら、先に話しかけておくのが吉です。
「オヤジさん達、昼間っから出来上がってるね?」
というと、待ってましたとばかり話しかけてくる。どうも話し好きの二人のようです。
オヤジさんの一人は沖縄の出身者
もう一人は目が悪い
この付近に住んでて
家族はいない
・・・というより、公園に住んでいる形跡がある。
しきりに、
昔は近所のおじさんは全員、おとうだった
という話をしてくれました。おとう、つまり、大人の男は全ての子どもの父親同然で、知らない子でも厳しく叱るという時代の話です。
いい話です。
そっぴくんも混じってオヤジさん達と話をして、30分くらいして帰ろうとすると、
おじさん1 「おい、そっぴくん。チョコレート好きか?」
そっぴくん 「うん」
おじさん1 「じゃ、チョコレートやるから、あそこで手洗ってこい」
近くのトイレを指さします。
そっぴくん 「はいっ!」
大急ぎでそっぴくんは走っていきました。
オヤジさんは千鳥足でベンチから立ち上がって、スポーツバックの中から取りだした(さっきUFOキャッチャーでせしめたらしい)チョコレートの袋を、手を洗って戻ってきたそっぴくんに渡してくれました。
そっぴくん 「おっちゃん、ありがとう!」
おやじさんは、名残惜しそうに、
おやじさん1 「そっぴくん、ちょっとだけだっこさせてもらっていいか?」
といって、だっこというより
米俵を担ぐみたいに(笑)
そっぴくんを肩に載せて、うれしそうにぐるぐるまわしていました。
そして、もう忘れちゃったけど、沖縄の方言で
「元気で大きくなれよ」
という言葉を教えてくれました。なんて言ったんだろう?
あんまりにも違う言葉だったから、覚えられなかった。
なんか、ちょっと哀愁漂う雰囲気にオヤジさんの人生を見たような気がしました。
もう一人のジャックダニエルをラッパ飲みしているオヤジさんがぼそりと、
「あんたの子どもみたいなの見てると、元気分けてもらえるわ。ありがとう」
おやじさん達、あんまり幸せそうじゃないけど、がんばれよ!という気持でした。
みんな何がしか悩みを抱えて生きています。
僕も例外じゃないし、皆さんも同じはず。
幸せいっぱいの人なんて、そうはいません。
だけど、人はこんなちょっとしたことで支え合えるし、たった一度だけの出会いでも、何も形のないものを分け合えるというのは、人間にしかできない貴重な能力です。
こちらから話しかけてよかった。
そのしばらく後、用事を済ませてから公園の横を通ったら、おやじさん達ま?だ飲んでたよ。
けっこう幸せな人達なのかもね。(笑)
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