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どこまで宣伝広告を嫌うか?

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この頃、宣伝広告は嫌われています。
僕も、あまりのえげつない宣伝をする企業の存在に、うんざりすることもあり、どちらかというと嫌いではありますが、

実は、宣伝広告の制作側でもあるわけです。

UNTAMEDでも広告はしますし、広告の制作事務所もやっています。

天につばを吐いて、自分に戻ってくるようなことを言うのか?

いいえ。
宣伝を考えるときは、分けて考えなければならないと考えています。

本当のことを言っている宣伝。
ウソのことを言っている宣伝。

当たり前ですが、誰もが嫌うのは後者のはずです。
でも、見分ける方法がありません。
これがやっかいなのです。

だから、拒絶する人は全拒絶!

と極端になってしまいます。先日、アパートに住む友人の家に行ったとき、そのうちの一軒のポストにこんなことが書いてありました。

「宣伝広告を投函した方は、“送料受取人払い”で返送させていただきます。
 ただし、__と__(フリーペーパー)は投函しても構いません」

受取人払いで返送する手間をかけてまで、攻撃的になるほど広告を嫌う一方で、フリーペーパーならOK。
事業者の皆さんは、フリーペーパーへの宣伝広告に二の足を踏みます。

確かに、“信用”があるから、媒体としては申し分ない。
でも、同時に掲載料がとっても高いのです。

つまり、採算が取れない可能性が高い。

採算を合わせるために取れる対策は、

別の方法(ポスティングなど)で、コストを下げる
または、
価格を上げて、消費者側に負担してもらう。

ということになってしまうのです。
極度に宣伝を嫌う行為は、僕らの生活レベルを下げることに繋がっていきます。

広告への反応率が下がるため、広告の量を底上げする会社があります。
広告費がかさむので、物が高くなります。
物が高くなると人は買わなくなります。
買わなくなるから不況になります。
安くすると採算が合わないから、給料が下がります。
ヒドイと、会社がなくなります。

皮肉なことに、

いい加減な、嘘っぱち広告をする企業
嘘っぱち広告に飽き飽きして、全広告を拒否する消費者

この双方が増えることによって、当然不況は加速します。
もう一つ忘れてはいけないこと。

一般企業に勤めているのだとしたら、宣伝広告(営業活動も含め)によって給料の根拠が成り立つ

ということです。広義の宣伝広告無しで成立している企業は、ほとんどありません。

宣伝広告は大嫌い!
でも、自分の生活は豊かになっていく方がいい!

これは、遠く離れているように見えて、密接な問題なんです。
自分の生活が豊かになることを願うのであれば、やはり他者の生活も豊かになっていくことを願う世の中でなければならないのです。知らないうちに(無意識のうちに)、

自分だけ得したい

という考えになってしまっているわけです。
ただね、やはり一番悪いのは、

インチキ広告や、誇大広告、一時の売上だけのために飛び石営業をやってる企業です!

広告制作事務所は、様々な業種とのお付き合いがあるので、打ち合わせをしていれば良い企業か悪い企業かすぐわかります。実名が公表出来ないのが残念ですが、何か良い方法で宣伝広告の読み方を公開出来るといいと思います。

折角の良い時期ですから、良い企業が生き残って、悪い企業は改心するか、淘汰されていくことが進めばいいです。そのためには、消費者として僕らも “騙されたくないから全否定” ではなくて、宣伝広告を見る目を養っていかなければなりません。

世の中上手くできています。
助け合う、信頼しあうことが当然のように出来る社会が、一番得なのです。

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