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嫌いなサービス

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近所の人気ケーキショップのサービスが嫌いです。
悪いサービスなのかというと、そうではなくむしろ良いサービスなのかもしれません。

でも、大嫌いなのです。

妻の誕生日のケーキを買いに、僕一人で行ったときのこと。
キャッシャーで支払を済ませると、店員の女性が言います。

店員 「お客様、お出口でお待ち下さい」
僕 「は?」

僕は先だって歩いて、店のドアの前に立って、後から僕の買ったケーキを持ってついてくる女性店員を待っていなければならないのです。そして、店員がドアを開け、そこでケーキを受けとって店外へ。

なんと不自然ではありませんか!

まず、男であり客である自分が、店員とはいえ女性にドアを開けさせるというのに非常に抵抗を感じます。
しかも、ドアの近くにいる僕は、どうしても店員より先にドアに到達するので、

そこで所在なく突っ立っていなければならないのです。

どうしたらスマートにこのサービスを受けることができるのか?非常に悩みます。
僕がドアを半分開けたまま、身体半分店の外に出てケーキを受けとるか? 変です。

どうしてもレジを越える形でケーキを渡したくないのであれば、レジ横で渡してくれれば良いです。
ドアくらい自分で開けますから。

このサービス、誰が考えたのでしょう?
僕は美容院というところに行かないのですが、たまに店員がお客さんの後ろから店外まで出てきて、車が行ってしまうまで頭を下げている店や、手を振っている店を見かけます。

僕なら恥ずかしくって、二度とこの店には行きたくないです。
どんなに良い店でも、自分がこの店を出るシーンをほかの方々に見られることを考えるだけで、顔から火が出ます。

感謝の気持ちは大切だと思います。
でも、不自然なのは、とってつけたサービスに見えます。
点数稼ぎに見えます。

この頃、こういう

ポーズ

にこだわるあまり、サービスの本質的な部分が欠落しているようにも感じるのです。
例えば、カチコチの形式張ったサービスを “練習” しすぎで、相手の反応に合わせたリアクションができなくなっているのです。

人によって対応を変えるということは、お客さんを差別することだと言われそうです。
でも、そうではないと思うのです。

基本的な礼儀正しさは持っていて、馴れ馴れしくならず、かつそれぞれの方の表情を読んで、気持ちよく接することができればそれは差別ではなくて、カスタムメイドのサービスを臨機応変でできるということです。

僕には、まだ、こんな高度なことはできません。
恥ずかしながら。
でも、できるようになりたい。

あの店員は、僕が感じた不快感を分かってくれたんだろうか。
それとも、

「最上級の特別扱いサービスなんだから、嫌がる方がどうかしてる」

と思ってるかな。
でも、自分たちで勝手に考え出した不自然なサービスに

お客が対応しなければならない

としたら、百害あって一利なしです。本物のサービスって、サービスを受けた後で、

何か分からないけど気持ちよかった!

というものだと、僕は思うのです。

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