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全ての封印をとくとどうなる?

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あるブログの評論(?)を読んでいたら、とても違和感のある言葉が出てきました。

ある場所に人より早く行って
そのことをブログに人より早く書きたい
そう思うのは自然なこと

自然かもしれないけど、
自然でいいのかなぁ?

30年くらい前に、 一億総カメラマン とかいう言葉が言われて、確かにそうなりました。逃げ場がないほどカメラだらけ。そのうち一億総ブロガーという時代になって、人より早く何かしたことを我先にとブログに書き込むようになったら、

一億総スネ夫君

です。スネ夫君の自慢話はいつも嫌われていて、虫の好かないヤツだったんだけど、今はそれを追っかけています。みんな少しでも早く新しいことを体験したい。話題の商品を手に入れて、それを使って自慢したい、批評したい。

ちょっとイヤな雰囲気です。

もともと日本人には自慢気質があって、外国人から揶揄されてきたことがあります。それは、

日本人の旅行は、名所確認旅行だ

ということ。外国人の旅行は、ビーチで寝てるだけとか、ホテルで寝てるだけとか、散歩してるだけなのに比べて、日本人の旅行は一分1秒を争うかのように、名所スタンプラリー状態。

名所へ行って 

「雑誌に出てた場所は、雑誌と同じでした。はい、これでここは行ったことがある場所になりました」

その後、人と話をしていて「ああ、あそこは何回行った」「ここは行ったことある」そういう話ばかりになってしまいます。

名所確認旅行とは上手く言ったもの。日本人の自慢気質を反映しています。

この気質は恥ずかしいです。
だからこそ、抑制するためにも 「自慢を慎め」 という美徳ができてきたんですが、最近の風潮で

全ての封印をとけ!

とばかり、全てがなし崩しになってきています。拝金主義、快楽主義、利己主義、全て日本人の気質の中に入っていて、ほっとくとみっともないから、“美徳”という名を借りて封印してきたのかもしれません。冒頭の言葉に戻ると、

人に自慢したいことは自然なこと。
自然だから、自然に任せてしまう。

なんか当たりのい?い、人好みのしそうな言葉です。
インテリな雰囲気。
一方で、とっても臭い言葉でもあります。

ここらで一度封印を確認しておく必要がありそうです。
社会全体は無理だから、せめて自分自身の封印はしっかりとしておこうと思います。

こんな記事もあります。

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