5歳くらいの子供を持つ親と集まると、
「大きくなったら携帯持たせる?」
という話題になることがあります。
僕の携帯に対する考え方は一つです。
持たせたくない
僕自身が携帯大嫌いなんです。
電話しないから、最小プランの無料通話があまって仕方がない。
出歩くときは、サイフだけあればいいものを。
じゃまくさい。
こんなモン、要りません。
子供だったらなおさら。
でも、こんな質問が必ず出てきます。
「クラスの他の子がみんな持ってるのに、自分だけ持ってないからといじめられたら?」
中学生くらいになると、持っている携帯によっては友だちにバカにされるから、高機能の高級品を欲しがる子が多いとか。そうすると“格が上がる”のだとか。
それはくだらない価値観だ!
と教えるのが大人の責任です。
欲しがることも、人の持ち物をバカにすることも く・だ・ら・な・い です。
驚くのは、子供の言うまま買ってしまう親がいることです。
それぞれの親が、このくだらない価値観を家庭で諫めていれば、こんな歪んだ社会になりません。
おおかた親自身が高機能の携帯を欲しがっているところを子供に見られてしまったんでしょう。
それから、話していて気付くのは、
子供の安全のため
を強調する点です。電話会社の思惑通りというと皮肉っぽくなってしまいますけれど。
アメリカにいる僕の友人の子供達は小さなキーホルダーを持っています。
これです。(http://www.fireflymobile.com/)
これは、母親と父親、それから警察など、かける先を限定した簡易電話です。
安全のためならこれで充分でしょう。
“誘拐されたときのため(?)”
GPSがあった方がいいという声も聞きますが疑問です。
本気でそこまで監視するつもりですか?
親は心配だからGPSを持たせたい、でも全てを監視される子供の立場だったらどうですか。
僕なら安全のためだといわれてもイヤなものはイヤです。
昔、書道教室に通っていて僕は一番奥の部屋で遊んでいました。ふと気がつくと、自分の親が恐ろしい形相で窓の外から覗いていたのです。そして、何も言わず消えていきました。友だちは顔色を変えた僕を見てニヤニヤしています。
もう家に帰るのが気が重くて重くて。(-_-;)
遊んでいた僕が悪いのですが、他の親はそんなことしませんから。
ウチは何か違ったのでしょう。
例えば、電車で学校に通っている小学生が、ある日好奇心から冒険をしてみたいと思ったとします。
そして、家へ帰るのとは逆方向への電車に乗った。または、環状線をぐるぐる乗り回していた。
一度はやってみたいでしょうね。
とても健全です。
ところが親はウチでGPSを見ていて、戦々恐々とするわけです。
なんだか不吉な想像を膨らませて。
子供は冒険に飽きたら帰るつもりです。
でも、即座に電話が鳴り、親の優しい声で、
「今何やってるの?大丈夫?」
と言われたら、このいまいましい携帯を恨むと同時に、親に対しての信頼感もなくなります。それどころか、子供が家に帰ってきて、
「今日ねぇ、冒険したんだよ!」
という話を封じ込めることにもなります。
これは冒険の話ですが、じゃあ、
電車に乗ってて降りる駅を寝過ごした
なんて時にも、子供はイイワケを考えなければなりません。
電話が鳴るか、今鳴るか、と思っていたら呼び出し音が鳴る。
やっぱり・・・
とつぶやいて舌打ちしながら電話を取ることでしょう。
煩わしい。
こんな親、大嫌いです。
GPSの必要性って、子供には絶対通じません
最初はワケも分からず同意するかもしれませんが、これは親のだまし討ちです。
目先の、
携帯が欲しい!
というエサに釣られて、自分の自由を明け渡すという悪魔の取引を承諾してしまうのです。
僕は安全のためであっても絶対に息子を監視したくないです。
道草も寄り道もすればいい。
そっぴくんは男だから、それくらいは必要です。
ちょっと帰りが遅くなったとしても、常識的な範囲ならこちらが我慢です。
ただ、僕の責任として、
それまでに正しい価値観と、身を守る意識を高めておく
そういうしつけをしたいと思います。
それに失敗したとき、自信が持てないとき、その時初めて
敗北宣言として
“子供の安全のため”GPS機能・テレビ付き携帯を持たせるかもしれません。
誰にも“負けない”やつを。
なんて皮肉っぽいんだろう。
だって、嫌いなんだもん。(笑)
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