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相撲ごっこと男の子

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5歳の僕の息子には勉強はさせません。
時間があると息子がやりたがるのが、

プロレスごっこ
すもうごっこ

です。リビングに敷かれた子供用のウレタンマットの上で二人とも汗だく。
息子は僕が腕やヒジで押さえつけてくるので、必死に逃げようとするものの所々が赤くなります。僕自身も無傷ですむわけがなく、加減を知らない息子が無茶蹴りする足でアッパーを食らいます。そんな時は、

「くそ坊主っ!!」

と、大人げない程、真剣に押さえ込んでやります。

すると、

「くっそぉ?!!!」

と叫んで、暴れまくり、僕の拘束から抜け出すと、体制を整えて脳天から突進してきます。
その姿がかわいい。

突進してきた息子の脇をつかまえて、柔道の技をかけて倒してやります。するともっと悔しがる。

「そっぴくんも勝ちたい」 (T_T)

というので、たまに勝たせてやりますが、こういう遊びを通して危険回避の“受け身”を覚えることができます。

大人の力にあらがううちに筋力もつくし、足首・手首・首など細くて弱い部分が鍛えられます。大人は子供の細い部分に過大な負荷がかからないように加減してやる必要があります。

ただし、筋肉は負荷がなければ鍛えられないので、あまり優しくやっていても駄目です。
妻の目からは、僕のやってることは少し荒っぽすぎるように見えるみたいですが、そんなことはお構いなし。体を使えるようになるということは、こういうことです。

子供に怪我をさせないように荒っぽく遊ぶくらいの体の使い方を親なら知っておかねば、男の子の相手はつとまりません。

ウチは一人っ子なので、僕がお兄さん役になり、いじめまくるシーンをあえてつくって兄弟があるケンカ慣れした子とのバランスをとってやる意味もあります。

家の坊主がこんな荒っぽい遊びが好きになったのは理由があります。

名古屋場所が近づくと、我が家から車で30分くらいのところに、大嶽部屋(おおたけべや)が来ます。
僕はそれほどすもう好きというわけではないのですが、ちょっと出かけたときなどに大嶽部屋のノボリが立つ倉庫の前を走ると、なんだかワクワクします。異空間な感じがいいですね。

数年前、近くにいた力士に稽古の見学は出来るのか聞いてみたら、

「朝早いですよ。よかったら見に来てください」

ととても丁寧に教えてくれたので、早速息子を連れて見に行きました。

この倉庫は、普段は農業用なので、名古屋場所中は中を掃除して仮の土俵をつくっています。

見物の近所の住人もちらほらいて、土俵と並べて置いてある仮設の巨大な縁台のようなものに適当に座って、親方の背後から稽古を覗きます。気合いが入っていない弟子に、親方(二子山親方:貴闘力)がユーモアいっぱいで鍛えるシーンは、怒鳴り散らすばかりでは人は育たないということを教えてくれます。

基本的に言葉は優しく、行動・指導は厳しく。
目に余るときは大声で怒鳴りつける!
ここにはメリハリのしつけがあります。

それが当然のようにある世界です。
僕はこういうのが大好きです。

土俵に上がって稽古しない力士は、周囲でビール瓶の入ったケースを持ってスクワット。見ているだけでかなりキツイ。それを、大男達がヒイヒイ言いながらやってる姿は、僕自身を反省するきっかけにもなります。

息子とでかけていって、これから出世していくであろう力士達と写真を撮ったり、話をしたり。彼らはとても礼儀正しいので、息子にとっても良い影響があるはずです。

こんな力士達の本物の稽古をまのあたりにして、

「相撲ごっこ」

が始まらないわけがない。(笑)

ということで、ウチのボウズには相撲ごっこです。

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