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美容整形は甘い薬

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僕は色んな事を理解したいです。
それは、なにごとにでも“バカ寛容”になることとは違います。

自分が何かに否定的立場をとるなら、その理由を理解したいのです。それが偏見なのかどうか。視野が狭すぎないか冷静に見ていたい。

美容整形、否定的です。

でも、それで幸せになっている人がいるらしい。
(間違えないでください。僕が否定的なのは“美容整形”です。やむを得ない事情で整形される方については最初から含めていません。容姿のために不当に不利な扱いをされている方とかもね。念のため)

美容整形をしてどうなりたいのか?

憧れている誰かのようになりたいのか?

その憧れはどこから来るのか?

どこかで見た美男美女、芸能人でしょうか、それとも友だち???

その人の顔にだけ憧れているのか?

私生活のうわさ話や、生き方なんかも含めてその顔になりたいのではないか?

あの顔になれたら、なんか良いこと(多くは男女関係の活発化でしょうか?)があるはず、という期待に大金をかける価値を感じている?

あまり意識されないことかもしれませんが、整形前後を知っている人に対しては、施術された方の願望、欲望までもが完成した顔からすべて筒抜けになります。

文字通り

「顔に書いてある」

わけです。

「へ?、あなたそんな風に考えてたんだ」

って。

隠せない部分で心理状態や欲望を他人に見透かされてしまうのは気持ち悪いです。誤解されて意図しなかった目で見られるようになるかもしれません。そのリスクへの準備も必要です。

そして、作られた美の限界はとても近くにあります。
昔、スーパーモデルと言われたシンディー・クロフォードがインタビューで言っていました。

「私だって、朝起きたときシンディー・クロフォードだったらどんなにうれしいか!」

彼女だって、“シンディー・クロフォード”はプロのメイクアップアーティスト達がよってたかって作り上げた自分とは別の存在だと意識していたのです。

どんなに“きれい”で売ってきた女優であっても、磨き続けなければ、イメージチェンジをしなければ、意外に簡単に“市場”から飽きられてしまうところも僕らは数多く見てきました。

芸能人は自分の意のままにやっていけるわけではありません。
芸能人は芸能事務所にとって“商品”です。つまり、クルマや家電と同じで市場の動向をうかがいながら開発をして、宣伝をして、マイナーチェンジ、モデルチェンジをしていかなければなりません。

いま現在かわいいから、綺麗だから、と将来が約束されているわけではありません。市場の動向によっては、自分の意志すら無視されて“改良”されてしまうことだってあるでしょう。別人を演じ続けるか、自分に戻って売れなくなるか、そんな選択をしなければならないときもいずれやってきます。悲劇的な場合は“商品”の入れ替えも起こりうる。

「人生に一度で良いから」

という願いならともかく、容姿が変わったあとに待っているのは、期待しているほど幸せな世界ではないかもしれません。

美容整形は甘い薬。
そして、その効き目はとても短く中毒性がありそうです。リピーターを見込んだビジネスモデルなのではないかとも思います。

全部僕の偏見だといいんだけど、美容整形は人に新たな苦悩をもたらす可能性を感じる。
価値観は人それぞれなので、手術で人生が明るくなるならそれはそれで喜ばしいことですけどね。

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