少し前に、
「車に遠慮して、人間が食べる物が高くなるって、狂った話だよな」
と友人と話していました。それはあくまでも自分たちが、物価高という影響を直接受ける立場で話していたのですが、実際は僕らの受けている影響なんてそれほど逼迫したものではありません。
新聞などで、
貧しい国の人達の食べ物を、先進国が暖炉にくべている
と表現されるとおり、生きるか死ぬかの本当の苦しみを強いられているのは、生産国の人達です。
そんな事を知りつつ世の中を眺めると、恐ろしい場面がたくさんあります。
投機
この頃は、誰もが “投資” と呼ばれる “投機” に目覚めて、新聞や雑誌、インターネットには、20代の若くて爽やかな女性や、背広姿のいかにも頭の良さそうな男性が、自信に満ちた笑顔で
「こんな時こそチャンスです!」
と、颯爽と自分の投資講座や、本の購入へと集客をしています。
どんなチャンスなのかな?
少し極端に想像力を働かせてみると。
貧しい国で食べ物が買えず苦しんで死んでいく人達を踏み台にして、自分たちはその相場をいじくって財産を作りたいという意識。そうして、自分たちが相場で得たお金で、
働かなくても暮らせるように
という目標を掲げている人達がいます。“逃げ切り”と言うのだとか。
本屋へ行けば、お金の本がずらりと並んで、得意満面で 「お金のリテラシー」 とか言っている。
自分のお金のことばかり考えているから、世界中で通貨危機の原因を作った投機家がヒーロー扱いされて、人の死体の上で自分が踊っていることが分からなくなってしまいます。
その一方で、メタボがどうの、エコがどうの、ロハスやヨガ、そして地球の環境や平和についても語ってみせるわけです。
高いところに住んで、下にも人が住んでいることが分かっていても、ゴミは全部窓から捨てる。
「下にいるのは、どうせ自分の知らない人だし。関係ないよ」
そんな姿に見えます。
優しさとか、思いやりって、いったい何なんだろうと思うわけです。
毎日、投資話を持ちかける電話が鳴ります。少し前なら、
「今、オイルが凄いことになってるんですよ!」
「今度は、ゴムが凄いことになってるんです!」
「小麦が凄いです!」
確かに凄いことになってたし、あのときお金を突っ込んでいたら凄いことになってたかもしれませんが、僕が言いたいのは、
うるさい! (`、´メ)
の一言。
この頃は、学校でお金のことを教えろという親も出てきたようですが、その多くは、
投資と投機も分からないような、とにかく自分だけが得したいという心
です。
昔から豪商と呼ばれる人達は言っています。
世のため、人のためになることをやる。
浪費をつつしむ。
本業に集中し、相場には手を出さない。
全部今の風潮の裏返し。 (-_-)
相場で勝ち続けた人はいないことから出てきた、今だからこそ重く受け止めたい戒めです。
お金の教育で、この戒め以上に必要なことなんてありません。
この時代と、今。
何が変わったのでしょうか?
インターネットで情報に近くなったからといって、僕らはそんなに賢くなったのかな?
僕は逆に感じます。
やはり、我が道を行くが正解です。
* ちょっと付け足し
日本は子どもを性的に搾取することが横行していると批難されています。確かにおかしい奴らは多いです。恥ずかしい話です。でも、農産物の生産国では子どもも亡くなっている。広い意味で、先進国の奴隷、マネーゲームの犠牲になっているわけです。つまり、これも搾取。形が変わると搾取も正当化されてしまい、知的だと思われたり、ファッションや流行にまで持ち上げられてしまいます。誰もが同じ穴のムジナということです。欲の前には何もかもが後回しにされてしまうんです。
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