ビデオレンタル店に行きました。
作品を選んでいると、棚向こうから厳しく子どもを叱る父親の声が聞こえてきました。
「ダメやろ、そんなん触るな!」
その声の主が棚の向こうから現れて、僕は少し違和感を感じました。
言ったら悪いですが、少々がさつな感じのお父さん。
叱られていたのは、まだオムツも取れない、言葉も分からないような女の子。
小さなウチからしっかりと躾けようという考えなのか。
やりかたは違えど、思いは一緒と言うことか。
でも、次の父親の行動は、先ほどの娘に対しての言葉は単なる不機嫌から発せられたのだろうなと思わせました。
無邪気にアワアワ言ってる娘を連れて、子どもを連れていくべきでないコーナーに入っていって、DVDを一本取ってきました。
ビデオを借りるなとは言いません。
娘さんに、そのビデオの意味が分かるとも思えません。
しかしね、一つ一つの行動にその人の在り方が出るのです。
子どもを連れていくべきでない場所に平気で入っていくということは、普段から子どもの前で子どもに見せるべきでない行動を取っている証拠です。
この人が娘を叱る姿を見ているかぎり、おそらく奥さんに対してだけ丁寧な言葉遣いになることはないでしょう。
僕は、友人と一緒の時は言葉が高校生の頃に戻って荒れますが、妻に対して
オマエ
と言うのも嫌いだし、バカとか侮辱する言葉は絶対に言いません。子どもに見せたくないからだけでも、ましてや我慢しているわけでもなく、自然にそうなっているだけなんだけど。ひょっとしたら、妻の方は言いたいことがいっぱいあるのかも。(笑)
とにかく、子どもの前で見せてはいけない態度は極力見せないようにすること。
見せてしまった(失敗してしまった)場合は、できるだけ早くケアするようにすること。
こういうことを心がけています。
“早くケア”ってなんのこっちゃと言われそうですけどね。(笑)
失敗するのは僕がほぼ100%なので、謝るだけです。
この5年間で1回だけありました。
子どもの前で口論をしてしまったら、子どもの前で謝るまでがセットです。
または、お互いに誤解があれば話しあって丸く収まるまで。
僕らも人間なので、失敗することもあるのです。
そのかわり、失敗したら潔く自分の間違いを認める。
その姿も子どもに見てもらいたいわけです。
だからといって、失敗しては謝るの繰り返しを何度もするべきではないと思いますが。(笑)
親というのは、人としてよくある失敗にでさえ気を配って、それを見ている子どもの事を考えなければならないのです。
ビデオレンタルの”ある場所”へ子どもを平気で連れていくという行動は、その父親の普通を象徴しています。こういう行動を毎日目の当たりにして育ってきた子ども達がどうなっていくのか。
電車で席を譲らない人や、何にでもすぐ腹を立てて人を殺す人、モンスターペアレンツ等々の利己的な人達。この根っこがまだまだこんなモンじゃないという気がします。
もう一つ荒れそうです。
とても心配になりませんか?
ガソリンが高いとか、目先のことも大切かもしれません。
でも、人が腐る方が、物価だの医療費の問題より大きいのです。
僕らの出来ることは、自分自身を “快楽” や “利己主義” に惑わされないように意志を強く持つことだけです。もう、権利や平等、ましてや保護や保障などという、自分を守ろう、人から与えてもらおうという心だけでは世の中はよくなりません。
自分から変えていく努力をすること。
大人として、子どもに恥ずかしくない行動を取ること。
なんでこんな当たり前のことができなくなったのか。
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