【現在顔の半分が動かなくて、あわてている方はこのエントリーの半分より下から読んでみてください。ちょっと安心していただけると思います】
2年ほど前に、突然顔の左半分が動かなくなりました。
そういえば、数日前から耳の下、あご骨の付け根が痛んでましたが。
夜、歯を磨こうとしたらなんだか口の閉まりが悪い。きたない話ですが、ぽたぽた漏れる。(笑)
鏡を見ても何もおかしいところはないけど、ふと“ニッ”と笑ってみたら、顔の左半分、特に口の端が作ろうとする笑顔についてこない。
色々と顔を動かしてみるんだけど、自由に動かない。
「あれ?顔ってどうやって動かすんだっけ???」
とやりながら、だんだん怖くなってきました。
顔が動かない
筋肉が操作できていない
筋肉を操作するのは・・・・神経?
神経が繋がってるのは・・・脳!?
「脳に異常があるのでは!!!!ひょっとして脳腫瘍????」
生まれて初めて死を意識しました。
おまけに吐き気までしてきました。
映画で、医師から余命を宣告されると洗面所に駆け込んで嘔吐するシーンがありますが、あれは本当なんでしょうね。病気の人達を凄く身近に感じました。
こういう時って、人に言うと病気が確定しそうで、何か隠す方法はないかとあわてるもんなんですね。意味不明のあわて方ですが、黙っていたら悪い夢から覚めるのではという淡い期待。
でも、現実なのです。試せば試すほど動かないことが確かめられていきます。(T_T)
意を決して妻に、
「なんか顔半分が動かないんだけど・・・」
と顔を見せながら言うと、意外な反応が返ってきました。
「あははは!ホントだ~!おもしろ~い!」
この人と結婚して良かったと思いました。(笑)
考えてみたら、一緒にオロオロされたら不安で不安でたまらなくなります。その点は「痛みに強い子供に育てる」と同じ理屈ですね。自分の事になると駄目なものです。
その夜は、その一言で何となく落ち着いて、そこそこ寝られました。
朝起きたら、完全に左側が動きません。
食事は動いてる方を下にして、少し上向き加減で頭を90度傾けた状態で口を動かさないと全部出てきてしまいます。(^_^;)
息子(当時2歳)の反応は、
「パパ、おかおうごかしてみて~!ぎゃはは!」 ←母親似
こっちはそんな余裕ないの。(笑)
食事がすんだら早速病院へ行きました。
■□■□■□【 ここからが病気の説明です 】□■□■□■
事前にネットで調べて、どうも病名が“ベル麻痺”ではないかということ、この病気の場合は耳の下でウィルス性の炎症が起き、顔を動かす神経を圧迫する。顔を動かす神経は左右別々になっていて、耳の下から顔の中心へ向けて熊手のように広がっているので、炎症が起きた方の顔だけ動かなくなる。
すると、顔全体が動いている方に引っ張られる形になって“ひょっとこ”のような顔になります。
そういう仕組みらしいです。
一番役に立った情報は、受診すべき科が「耳鼻咽喉科」だということでした。
「顔が動かなくなったら耳鼻咽喉科だ!」
って、すぐ行ける人なんて、まずいません。
ネットって素晴らしい。
医師の診断も、予想通りベル麻痺。
この病気は発症後1週間以内に診察を受けると治癒率が高い。
ウィルスを殺す薬を処方されて、2週間毎日点滴をうけました。その後は、徐々に点滴の間隔を長くしていき、最後には完治!!?(^_^)/
ストレスが最大の敵だということで、一か月はほとんど寝ながら仕事をしました。
顔が動かないというのは聞いている以上に大変なことです。僕の経験から箇条書きしてみると、
・ 目が閉じないので乾く ←医師に角膜を保護する目薬をお願いしてください
・ 目が閉じないので、頭を洗うとシャンプーが入る ←片手で洗う訓練を(笑)
・ クルマに乗ると目が乾き涙が出てきて前が見えなくなる ←運転は控えた方がいい
・ 寝るときに無意識で目をこする ←ガーゼをテープで貼り付けて保護する
目の乾きに関する問題ばかりです。
夜は目が閉じないと寝られないので、紙のテープで直接まぶたを貼り合わせました。でもしっかり閉じないので、その上からガーゼをかぶせテープで固定します。僕はマツゲが長いので剥がすときしっかりはり付いていて痛かったです。
毎晩やるのは大変でしたが、角膜保護用の目薬が驚くほどよく効いて助かりました。
もし、夜に発症して不安で寝られないうちに検索でこのページに行き当たった方がいたら、時間かかりますがちゃんと治りますからご心配なく。
まずはぐっすり休んで、迷わず耳鼻咽喉科受診です。
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