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信じられない感覚

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先日仕事の打ち合わせで、信じられない話を聞きました。

僕の知り合いが、ある広告代理店へ、立ち上げたばかりの自分の会社の広告の相談に行った時の話。彼の会社は、比較的安価な規格住宅を建設しています。つまり、完成した建物的に言えば特徴際だったものではなく、どこにでもある民家といったら分かりやすいでしょうか。

広告代理店の経営者は、

「どうせ貧乏人相手やろ?だったら、もう泥臭いところまで落とせばいいやん」

という、とても傲った物言いだったそうです。そして、僕の知り合いが持参した、自作の広告を見て、

「だせぇ!きたねぇ!」

と言ったとか。

言葉は、口から出てくる前に脳内で様々な取捨選択を経て発せられます。
この代理店経営者の言葉は、他人を見下し、相手を傷つけることばをわざわざ選んでいます。その後、アドバイスをしてくれたらしいですが、終始一貫して人を見下したような話し方だったそうです。せっかくアドバイスをするのですから、相手が楽しくなってしまうような、気分が高揚するような言い方の方が喜ばれたはずです。

僕の知り合いは、こんな言葉にしょげるようなタイプではないので、そんな相手の言葉の中からも参考になりそうな内容を冷静に聞き出していました。聞く人の性格によっては、落ち着いて聞いていられないような、

こんな話し方ができる人がなぜいるのか、理解できません。

僕は、人を怒鳴ることができません。
というと、素晴らしくできた人間みたいに聞こえますが、ウチで、妻に愚痴を聞いてもらうことはあります。 (^_^;)
聖人君子には絶対になれそうにありません。 (^_^;)(^_^;)

「もう少し強気に出た方が良いよ」

とアドバイスしてくれる人もいますけど、強気に出て一時的に何か自分の思い通りにしたところで何も解決しないことは分かり切っているので、マイペースです。いまさら変わりませんし。(笑)

世の中には、

「オレはこういうキャラクター。好きなこと言っても、相手は分かってくれている」

と豪語する人がいます。自分だけは、周りの人を切って切って切りまくる。
周囲は、遠慮して物が言えないわけです。
このタイプの人に反論すれば、相手はムキになって徹底抗戦に出てきます。
それに付き合うのも面倒くさいので、多くの人は“分かったような顔”をしてくれているだけなのです。

信じられないのは、これが広告代理店の経営者だということ。
今、世の企業は、大小関係なく(僕の会社も含め)、

「お客様との接点を持つことの難しさ」

に頭を悩ませています。その接点を作り出すのが、広告代理店の仕事です。経済活動の最も重要な部分を担っていると言ってもいい。

広告代理店の直接のお客様は、広告主です。
広告主のお客様は、そのサービスを受ける相手。道具を売るのであれば、その道具を使う人です。
代理店は、広告主と同時に、その道具を使うお客様を喜ばせなければならない。

「どうせ貧乏人相手やろ?」

という感覚で会社を経営している人が、自分のお客様(広告主)を喜ばせることができるのか。
できるわけがありません。

そんな会社が作る広告を見て、広告主のお客様が喜ぶのか?
そんなはずはありません。

先日、イトウヨーカドー創始者・伊藤雅俊さんの本を読みました。
昔は、商品の値段は相手を見て決めていたそうです。高く売れそうな相手には、できるだけ高く売る商習慣があったとか。これは不誠実な商売だと思ったそうです。

そこへ、値札を付ける正当なやり方が出てきて、それが主流になった。
当時、不正をやったり、投機的に稼いだり、他人を踏み台にして商売をやっていた会社は、現在、

全滅している

のだそうです。これは歴史が証明していることだと、伊藤雅俊さんは言います。

相手を尊重して、
謙虚でありながらも、建設的に自分の意見も述べることができる。

そういう技術がこれからの世の中でとても大切になってくると思いました。
この代理店経営者にお子さんがいるとしたら、自分の姿勢を見て育つ子のことを心配する必要がありそうです。

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