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ガスコンロと映画編集機

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我が家のガスコンロはハッキリ言って使いにくいです。
僕は料理をするのが好きなので、頻繁にキッチンを使いますがこのコンロだけは好きになれません。家を建てて唯一失敗したのはこのコンロ。毎日使う物なのに!

料理好きな人がデザインしたのではないことが丸見え

なのです。

着火ノブの配置が直感的ではないのがイヤなんです。
我が家のコンロはバーナーが3つ、三角に並んでいます。
手前に二つ、奥に一つ。

僕の感覚では、着火ノブはそれぞれバーナーの、

左・中央奥・右

と並んでいるのが普通だと思うのですが、ウチのは中央奥・左・右なのです。

だから、奥を点火しようとすると、左が着く。(笑)
一度はカラの鍋が置いてあって、空だきしてしまいました。(^_^;)

僕が映画学校に行っていた頃は、まだフィルムを切って編集していました。ちょうどフィルムからビデオへの過渡期でしたから、幸い両方を体験することができました。

16mmフィルムや35mmフィルムを編集する場合、フラットベッドという機械を使うのですが、この機械のメーカーで生き残っていたのは2社。

スティーンベック
ムビオラ

でした。(僕はスティーンベックしか使ったことがありません)

僕の友人がスティーンベック専門の編集機器販売会社をやっていたのですが、彼の言葉を借りるとムビオラは

設計士

が作った機械で、スティーンベックは、

映画制作者

が作った機械なのだとか。

だから、ムビオラは徹底的に使いにくく、スティーンベックは使いやすい。

「手を伸ばしたらこうなって・・・ああなって・・・」

という想像通りに事が運ぶのだそうです。

でも、技術的に優れているのはムビオラなのだとか。
二つがくっつけば良かったのに、その前にフィルム文化が消えていきました。

皮肉です。(笑)

世の中こういうことが沢山あります。

実は他人事ではありません。理想を言えば、

「僕は何でも使う人の立場に立って考えているから完璧です」

というのが一番立派そうです。
でも、そんなに上手くはいかないです。

例えば、僕ら夫婦では

散在する複雑なことをとりあえず一つにまとめるのは僕の得意

でも妻曰く、そのままでは男脳でしか理解できないのだとか。(笑)

それをよく分かる形にするのは妻の得意

はたから見ると、僕が考えたごちゃごちゃしたアイデアを、妻がシンプルに組み上げるのだからあちらの方が賢いように見えます。(^_^;)

僕が必要だと思っていることでもバッサバッサと切り取っていくのですが、出来上がってみると、

「なるほど・・・」

と感心せずにいられない。

ところが妻も心得ていて、

「最初のごちゃごちゃを“とりあえず絵にする”ことは私にはできない」

と言ってくれます。

世の中に万能なんて人は絶対にいなくて、どこかで補完しあって生きているものです。

僕はいまさら、男脳でしか理解できない物を女脳でも理解できるように作り直す技術を持とうとは思いません。僕はとうの昔に万能を目指すことはあきらめています。
目指したこともないけど。(^_^;)

パートナーってのはこのためにいるものです。
自分が誠実でいるかぎり、どこにも行かない人があれば、わざわざ脳みそのキャパシティーを増やそうと努力しなくてもいいです。

それより、相手との良好な人間関係を保っておけば、いつでも良いアイデアをくれるんだから。
僕の友だちでも四六時中憎まれ口をたたき合っている夫婦がありますが、時間の無駄です。子供にも悪影響があるし。

お互いを大切にすることで、家庭内の多くの問題は自然に解決していきます。

最近ちょこっと疲れが出てきたなぁと思っていたところで、また妻に助けてもらいました。(笑)

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