僕の得意料理の土手煮・・・初めて失敗してしまいました。(__;)
いつも相当時間煮込んでから火を消して丸一日近く放置して味をしみこませて、次の日の夜に食べるんですが、ちょっと違う方法を試してみたら、
味がしみこんでない (__;)
いつもは赤味噌で真っ黒けになって、うまそ?なモツが、
なんだか白子のように白い・・・ (__;)
しかも、なんだかクサイ・・・ (__;)
でも、そのおかげで大発見がありました! 大げさに言ってはいますが、おそらく料理を理論的に理解している方々にとっては、あったりまえじゃんという話だと思うけど、いいんです。
自分で失敗を重ねて発見するから価値があるんです。(悔しいのでそう言っておきます)
土手煮成功の秘訣は、乳化のコントロール。
でした。
乳化というのは、イタリア料理が得意な方は知っていると思いますが、食物のうま味が油分と渾然一体になることを言います。油とうま味(水分)は通常は混じりませんが、適度に加熱すると乳化がおきて別のおいし?いモノに変化します。詳しい理屈は知りません。
僕は、これが土手煮にも関係していることに気付かず、今まではただ漠然と長時間煮込んでいました。
今回の失敗のおかげで秘訣発見。
乳化だったのです。
最初は溶けた味噌がシャビシャビの状態で、言ってみれば甘い味噌汁。今回、この状態で放置したので味噌汁と水分が分離してしまいました。この状態では肉に味はほとんどしみません。
ところが、これを煮込んでいくと何が起きるかというと、
・ 肉から脂が出てくる(先にゆでて余計な脂は捨てていますが)
・ ニンジンなどからうま味が出てくる
・ おそらくこんにゃくからもうま味が出てくる
・ 味噌からもうま味が出てくる
そして、落としぶたをして弱火でコトコト加熱することで、それまでシャビシャビだった味噌汁が“トロン”と乳化した状態になっていきます。
今まで“ぽこぽこ”という軽い感じで出てきていた泡が、“ぼこっ、ぼこっ”と重そうな泡になってきます。この状態になったら、かなり乳化が進んでいるということ(のはず)。
水を飛ばしていって、全体的にどろっとしてきたら火を止めて放置すれば、肉に味が浸み、重い味噌のスープになるという寸法です。
イタリア料理を作るときには、当然のようにオリーブオイルと色んな素材から出てきたうま味を乳化させるために気をつけて加熱するのに、見た目が違いすぎて気がつきませんでした。
考えてみたら、昔の人はうまく言ったものです。
コトコト煮込む
ってのは、なんのことはない、素材から出たうま味を乳化させることを言ってるのかもしれません。コトコト煮込むときは弱火だし、出来た料理は乳化された料理に共通の、
てろん、というか、トロンというか
そういう食感がありますから。
これでまた料理の幅が広がるような気がします。
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