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捨て犬の話で

僕は中学一年生の時に初めて犬を飼いました。
念願かなったという感じ。

近くのブリーダーで当時誰も買う人がいなかった白い柴犬の子犬(雌)。白い柴犬はなぜか人気がなくって、5000円を持って受け取りに行った覚えがあります。

飼い始めて3日目で肺炎にかかって入院。どうも、僕が可愛がりすぎたことが原因で、弱ってしまったららしい。(^_^;)

実は、それまでにも何度となく捨て犬を拾っては連れて帰り、家の裏に隠していたのですが、夜になると寂しくなった犬が「クンクン」と声を上げるため見つかってしまい、

「捨ててこい!」

泣く泣く捨てに行きました。

でも、白い柴犬を責任を持って世話をしているうち、その後拾ってきた犬は全て僕の犬になり、一番多いときで最初の柴犬が産んだ子も含め、7匹の犬を世話していました。これが高校生の頃。

僕ら夫婦は動物好きで、二人とも相当数の捨て犬を世話してきました。
妻の妹に至っては、動物愛護関係の仕事で活躍していて、日本中を講演会で飛び回っています。

昨夜の夕食時に、どういうわけだか捨て犬の話になり、僕が2匹目に飼った犬との出会いをそっぴくんに話しました。

雪の日の朝、犬を散歩していると、前を歩くおじさんの足下に茶色い子犬がくっついて歩いていました。おじさんの犬だと思っていたのですが、ぐるりと近所を一回りして戻ってくると、子犬は疲れて冷たい雪の上で座り込んで鳴いています。

すぐに捨て犬だと分かったので、そのまま上着の下に突っ込んで家に連れて帰りました。

その日のうちにこの子は僕の犬です。(笑)
雪の日に拾ったので、ユキという名前にしました。
当時は、拾得物という考えが無かったので、警察に届けませんでした。
もう時効なので許してください。(^_^;)

その話をそっぴくんにしていたら、そっぴくんは

子犬がひとりぼっちで雪の中にいた理由

が分からないのです。犬が捨てられるという事が理解出来ない。
だから説明しました。

すると、そっぴくんは椅子からぴょんと下りて、妻の所へ歩いていき、

ひっし

と抱きついて泣き出しました。

「どうしてそんなわるいことするひとがいるの?!」

嬉しかったです。(笑)

そして、

「そっぴくんは、すていぬみつけたら、ぜんぶつれてかえってくる!」

と言いました。それもちと困るんだけど。(^_^;)

犬の寂しさを理解して泣ける感性を持ってくれて、僕はとっても嬉しかったです。
拾ってきてしまった時は、今度こそ警察に届けて、正しい方法でうちの子にしてあげることにします。

僕が子供の頃、一度拾っておいてまた捨ててきた犬たちへの罪滅ぼしになるかな。(笑)

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