酔っぱらっている人を
「酔っぱらい」
と言います。
じゃあ、酔っぱらってない人は、
「酔っぱらってない人」
かというとそうではありません。
例えば僕は酒を飲まないので、酔っぱらってないわけではありません。
酔うことがないので、酔っぱらっていないという表現は不適切です。
酔っぱらってないひとというのは、このまま時間が過ぎて夜になったら酔っぱらう可能性のある人の事を言います。
つまり、酒を飲む習慣のある人で、今酔っぱらってない人が、酔っぱらってない人。
何のこっちゃ。
実は仮に一度アルコール中毒になってしまった人の残りの人生には、酒に関する限り2つの状態しかないと言われています。
アルコール中毒状態 (Alcoholic:中毒している)
“ドライ”アルコール中毒状態 (DRY Alcoholic:酒を断っている)
タバコも同様です。
中毒性のあるものに侵されてしまうと、その後は中毒している状態か、そうでないかという状態になってしまいます。とても不安定なのです。
子供と接していると、何週間かに一度
「お。なんか秩序が保ててる。親子の秩序が」
と、親としての自信を感じることがあるのですが、それからしばらくすると何となく噛み合わない時が出てきて、怒り散らします。すると、
「ちょっと怒りすぎちゃったな」
「最近、言うこと聞かないな」
と自己嫌悪に悩んだりします。(ここでは、怒る=叱ると思ってください)
僕らはちょっと行き詰まると、夜そっぴくんが寝てから夫婦会議をします。
僕の妻は日記をつけているので、それを見ながら話をしていると、どうも僕らの自信と自己嫌悪になんとなく周期があることに気がつきました。
その結果、僕ら親自身が
怒りっぽくなった
と感じる一方で、子供の方は喜ばしい成長を遂げているのだと気がつきました。
自分の要求を理解して、それを表現することが出来るようになる。すると、要求の回数が多くなる。このサイクルを繰り返して大きくなっていくのです。
これが、親の視点からは
「最近ワガママになった」
「感情的に怒るようになってしまった・・・」
という心配に繋がるようです。
そりゃそうです。
一日のクレーム処理能力が10件のカスタマーサポートに、突然3倍4倍のクレームが入るようなものです。
親だって疲弊します。
でも、これを子供がワガママになったのではなくて、表現力がついてきたと考えてみると、確かにそうなのです。
冷静に、自分が自己嫌悪に陥った状態をよく考えてみると、とても危険で不安定な心理状態になっていたことに気がつきました。
それは、自分の状態が次の二つの“どちらかの”状態になっていると考えてしまうことです。
怒っている時
怒ってない時
これが問題なのは、怒ってない落ち着いている時も、
「これから怒ることを前提とした状態」
になってしまうんです。アルコール中毒の状態にそっくりです。
それで、怒るたびに「また怒ってしまったなぁ」と悩むんです。
これは、疲れる。なにしろ、
「今怒るか、今怒るか」
と自分を監視してるわけですし、常に戦闘態勢なわけですから。
ちょっとしたきっかけで、カチンとくる。
子供がなぜか突然ワガママになったように感じて、その連発するワガママに、自分の怒りをコントロール出来ないほど疲れてしまうことだってあるわけです。
子育ては、アルコール中毒とは違います。
怒っている時と普通の時には、つながりを持たせないような考え方の方が健全です。それに、自分が親としての能力を失っているのではなくって、
カスタマーサポートがパンクした(←結構気に入ってます(笑))
だけなんです。
会社でカスタマーサポートがパンクしたらどうするか?
増強するわけです。
(人を増やす、商品の品質を上げる、説明書を充実する等)
親としてのカスタマーサポートがパンクしたらどうするか?
それは、自分を成長させることで増強するしかないわけです。
誰が悪いわけでもありません。
子供は相応に成長していく。これを止めることは誰も望みません。
ワガママな悪魔になってしまったと悲観するのは馬鹿馬鹿しい。
親だって人間だから、クレームが倍増したらパンクします。
だから、親も子供のワガママ度合いが上がる周期に合わせて、または先回りして自分の度量とか、許容範囲とか、そういうものを鍛えておく必要がありそうです。
ワガママ言わない子供、叱らなくてもいい子供なんて不気味です。
失敗しない親もかなり不気味です。
問題は、失敗してないのに失敗したと思いこんで自信を失うことです。
子育ては、アルコール中毒とは違います。
怒りすぎてしまった、叱りすぎてしまったからといって、自分が鬼親になったと悲観するのは的はずれです。こんな危険なアルコール中毒的な心理状態から早く自分を解放しないと、悪循環が始まってしまいます。
と、考えたのは実は昨日のこと。(^_^;)
最近、ワガママ増えたんですよ。
そっぴの野郎。(笑)
これから僕がどうしようと考えているか。
僕が怒ってしまった理由が分かったので、応酬し合いではラチがあきません。
なので、いつもの通り落ち着いて根気に話すだけです。
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