個人的には体罰には反対です。
僕は息子が生まれてこの方、手をあげたことは一度もありません。
これは各家庭で完全に方針として違うこと。
親として、明確な意志があればそれは尊重されればよいと思います。子供が老いて死ぬまで僕らのしつけの成功・失敗なんて分からないことですから。
それに、
叩く
という“アクション”だけを取り上げて、良否を論ずるのに意味はありません。叩いた人の心のありようで大きく意味が違ってくることです。
なぜ僕は叩かないのか?
叩くという行為に、時間を省略しようという気持ちを感じるからです。
親が、子供にしてほしくないことを、即時停止出来る抑止力を公使してるわけです。
叩いてその行動が速やかに止まって喜ぶ・落ち着くのは親でしかない。
その瞬間に子供には何が伝わったのか?
そこが問題。
ヒトは熱い物を触れば手を引っ込めるし、大きな音を聞けば身体が一瞬硬直したりします。叩かれて育っている子は、親が手のひらを掲げた瞬間に首をすくめることでしょう。
大人が子供を叩くときには、当然様々な意味を含めていると思います。
ある行動をすると危険だ
他人の所有物を毀損してはいけない
他人に迷惑がかかることはしてはいけない
:
でも、そういう意味深なことは子供にはおそらく伝わりません。
何かの行動をすると、痛いことをされるから止めるのであって、抑止力となるのは痛みだけ。その行動が駄目な意味が分かりません。
僕は叩くかわりに、落ち着いた声で今の行動を本人と一緒に確認します。自分がやったことをなぜ僕がやってほしくないのか、ゆっくり話します。といっても、一度や二度で子供が覚えるとは毛頭思っていないし、2分と聞いていないですから、馬耳東風。
考えてみたら、僕ら親はこの難しい日本語を教えたんです。
この程度のことは朝飯前ではないですか。(笑)
悪いことをして
「こらっ!」
パシッ!
「だめでしょ!」
「ごめんなさぁ?い」
この場合、子供の頭の中では、
Aという行動 = × 叩かれる
Bという行動 = ○ 叩かれない
Cという行動 = × 叩かれる
Dという行動 = ○ 叩かれない
と、場当たり的な整理が成されてしまいそうです。それから身に付くのは、
判断力
ではなく、
反応の選択
千通りのアクションに対して、千通りの対処法。
ハッキリ言って覚えられません。
例えばガラスのモノを割った時。ビックリして泣いている子に、
「何してるの!!」 パシッ
と叩く人がいます。で、片付けながら小言を言う。
でも、ガラスが危ないことを教えたいのであれば、
「そこをうごくなぁ?!!」
と言って子供を釘付けにして、掃除機で必死に掃除する様を見せた方が理にかなっています。ガラスは危ない。動くと足の裏に刺さっちゃうかもしれない。目に見えないほど細かくなってるモノもある、と説明してあげる。
「だ・か・ら、今日の所はパパが掃除しといてやる」
と必ずもったいつける。
僕や妻がフローリングの隙間まで確認して掃除する様を子供が見て、
「ガラスってのは、割れると親が必死になっちゃうほど気をつけなければいけないモノなんだ」
と思ってくれればしめたものです。スケベな事を言えば、「何でも自分でやれ!」といつも言ってる親が、自分の身体を気づかって掃除をしてくれているということも気付く“かも”しれない。(笑)
工作をして、紙を散らかしちゃったからと、パシッ!
大事な置物を落としちゃったらからと、パシッ!
ジュースをこぼしちゃったからと、パシッ!
その程度の事なら注意ですむ。叱る必要のないこともある。
何かをした瞬間に子供が泣き出したら注意する必要もないかもしれない。泣き出したということは、なんかやっちゃいけないことしちゃったと気付いている証拠だと思います。
僕の知り合いで、癖のようにパシパシ叩く人がいるんですが、普段からあまり叩いていると、ガラスのような直接的な脅威を教えるときのメリハリの付けようがありません。
ところで、僕は他人(例えば学校の先生)が息子に体罰をしたら、怒鳴り込みに行くタイプだと思いませんか?(笑)
僕は息子が何か悪いことを外でしでかしたら、叩かれたり、殴られたりすればいいと思っています。他人が手をあげるってことは相当なことです。
自分だけの判断で分からないところは、他人の意外な行動(?)で痛い思いをして覚えなきゃならないことも世の中にはあります。時には他人の行動は理不尽なこともあるけど、最悪の暴力に巻き込まれないだけの判断力や嗅覚は大きくなる前につけてあげなければ。
(ただし、a-kikikinokoさんがコメントくださった通り、息子が自分の命を危険にさらすようなことをした時は、僕も口より先に手が出ると思います。普段から手をあげていない方が、事の重大さは伝わりやすいはず)
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