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義務教育ってなんだっけ?

あんまりおかしな親がいっぱいいるので、僕の思ってる義務教育って違ってるのではないかと不安になってきます。

(注:日本にも今や様々な国から来た子供達がいます。その子達を全て含めて話すとややこしいので、話を分かりやすくするためここでは日本国籍を持つ子供に限定して書きます。基本的には郷に入っては郷に従えという考えが当てはまると考えています。差別的だと夜も眠れない人が出ないよう、念のためのお約束です。それから学校は公立に限定してます)

義務教育とは、親が子供に教育を受けさせる義務です。子供が教育を受ける義務ではありません。これは間違いないはず。

問題なのはその目的と内容です。

どうして義務教育を受けさせるのか。

答えは一つです。(のはずです)

「普通の日本人になるため」

日本嫌いの方も日本人に生まれてしまったのだからあきらめてください。

基本的にはこれ以外に義務教育の意味はありません。日本人として日本の社会を発展させる基礎を作ることだと教育基本法というもので言っています。

最近は学校で“社会に出てから直接役立つこと”を教えろという親がいるそうです。
例えばなんでしょうか。

株・・・とか? ┐(-。ー;)┌ヤレヤレ

義務教育は、具体的に役立つことを教育するものではありません。

役人的な難しい言葉を借りれば“国家・社会の形成者として共通に求められる最低限の基盤的な資質の育成”だそうです。

そう、資質です。

具体的に“こうなる”というモデルはなく、とても曖昧といえば曖昧。
資格でも特別な能力でもなければ、技能でもない。
おそらく競争が嫌いな人達が学力テストに反対する根拠はこのあたりにあると考えれば、分からなくもない。僕が賛成反対かは別として。

義務教育では、読み書き計算、そして日本の歴史、社会の基本的な仕組み、そういうものを教えるんです。その中に“しつけ”などというものは本来含まれないのです。

義務教育を通して、日本社会の中で役立っていく日本人を作る。
“だから”国がお金を出して教育を受けさせるという仕組みのはずなんです。
国が国のためになることにお金を使うというのは当然のことです。
国や自治体が個人のためにお金を使わないのは、政治が個人のためではなくて社会のためにあると考えれば当然のことです。(一部例外あり)

(愛国心とか言葉に出してしまったら胡散臭いですが、本来義務教育では自分の国を誇りに思える歴史の教え方をするべきなのです。これはまた別の機会に僕の意見を聞いてもらいたいと思います)

教師をしている友人に聞くと、英語をやらせろだとか、株・金融を教えろだどかいう親からの要望があるとか。最近の“投機”ブームにあてられて、せめて自分の子供には楽してお金を稼がせたいのか。子供に稼がせて、自分が楽しようという親もいるらしいです。

問題は、こんなことは義務教育で教えることではないってことです。

そんなにやりたければ親が教えれば良いのです。
または塾とか、習い事でやらせる部分です。
義務教育にトッピングという選択はありません。

トッピングは税金の範囲外です。

義務教育は横並びの教育をすることが至上命題です。自分の子供を少しでも上に行かせたいのであれば、学校の外で締め付けてやればいいんです。

義務教育は厳密には異論もありそうですが無償です。
タダのものに多くを望んではいけません。
9年学校へ行って、ようやく普通の日本人になれる、かもしれないというだけです。

それ以上にトッピングを望むのであれば、それなりにお金をかけてください。

ただし、大人になって大切なのは学問的知識ではなくて、コミュニケーション能力です。友だちと放課後にくだらない話をさせたほうがよっぽど心のある立派な人間ができる可能性が高いと思います。横並びを基本とした義務教育の範囲内で、将来役立つ何かを磨かせようとするならばこの“人との関わり”だけだと思います。

大人の中にも、この部分が特に弱った日本人が最近増えている。
その原因は、義務教育の頃からせっせとトッピングばかりを山盛りしてきた世代が大人になってきたからかもしれません。

基礎が最初っから腐っていては何を載せてもいただけません。

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