子どもの頃、
中学生になったら遊べる
高校生になったら遊べる
そういう考えがありました。
当然勉強がどこかで終わるということはあり得ないわけで、大人達がなんとかして子どものやる気を持続させようと試行錯誤して言っていたインチキなんだけど、困ったものです。
こういうことを言われると、脳の思考回路が固定されてしまいます。
いつかどこかにゴールがある。
そういう考え方は人間が生きていく上でとっても危険です。本当にゴールがあるとしたら、それは“死”以外になく、その途中はどこをとっても、
一段落
にすぎません。
先日読んだアウシュビッツから生還した心理学者、ビクトル・フランクルの本に書かれていました。
「収容所ではクリスマス後に亡くなる方が多かった」
これは、根拠もなく“クリスマスには解放される”という希望を持ってしまい、そのクリスマスに希望が叶わなかったことから絶望してしまったためだといいます。
大人の勉強には終わりがないものが多く、やればやるほど分からなかったり、行けば行くほど上があるということばかりです。
ここで苦しいと感じる人と
そうでない人
子どものうちから終わりのないことに対する心構えをつけてあげるというのは、親として大切なことの一つだと思っています。
先日、7000m級の山を世界で初めて登った古い友人と話しました。
僕 「7000mってどんな感じなんですか?」
友人 「一歩進んで10回呼吸して、一歩進んで10回呼吸する。その繰り返しだね」
“あと100歩”とか考えない。
7000mの頂上に立って、苦しみの中にひとときの幸せを感じ、ゆっくり一歩ずつ地上に帰る。
そして、その後も普通の生活が続いていくのです。
一つ一つの達成に喜びを感じつつ、一方でその達成を冷静に見られるような視点が必要なのかもしれません。
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