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世の中からサドルティーが消えていく

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僕の好きな英単語で、よく使うものの一つに

subtlety (サドルティー)

があります。これは、微妙なだとか、気付かないほどの、微かなという意味です。

サドルティーという感覚は、特に美しさという観点からとても大切です。

例えば、女性のピアスなんてのはサドルティーの最たるモノだと僕は思っています。

僕ら男は、

つまめないほど小さなものを耳に着けて、何か良いことあるのか?

とデリカシーの無いことを考えるかもしれませんが、何かの拍子に耳にきらっと光る小さなピアスは、とても美しいと感じます。

特に主張しているわけでもないし、デザインが凄いわけでもない。ただ、小さな球がピンの先に付いているだけのものが、ある瞬間に急に存在感を持って、それ自身ではなく、それを着ける人を引き立てる。

ピアスは本当に不思議なものです。

で、男の方といえば、というか僕自身は宝飾品を全く身につけない(結婚指輪は除く)にもかかわらず、女性の髪と頬の間からちらっと見える微細なピアスの輝きに

どきっ

とします。(笑)

ハッキリ言って美人に見えます。

女性の中では、

ピアス派、イヤリング派

と別れるところのようですが、僕はピアスが好きです。なぜなら、より小さく目立たないから。自分の体を傷つけるわけですから、反対意見もあるのでしょうけど、

僕は、サドルティーに反応してしまうわけです。
これはどうしようもありません。

近頃よく出てきているリア・ディゾンさん。
僕はあのマツゲがどうも苦手です。

バシバシッ

という感じ。
アニメみたいな顔つきで、キレイなことは否定しませんが、どちらかというと、瞬間芸的な顔作りだと思います。

インパクト狙い!

ぐっと目を惹きつけられますが、よ?くみると

そういう風には生えないでしょ?

って。なんだか余計なところが気になってしまう。

僕が日本の役者の演技が見ていられない理由の一つも、

サドルティー

です。次回、外国の映画を見るとき、少し意識して見てみてください。外国の役者は、

あまり顔を動かさない
表情筋の動きが滑らか
まばたきを感じさせない

だから、クローズアップの画面でも画角の中でバシッと決まる。
だから現実の世界以上にスケール感があるんです。

眉毛を上下に動かすことができる方は、やってみてください。
ゆっくりスムースに眉毛を上下できますか?
ぴくっ、ぴくっと動いてしまうはずです。

眉毛は一番難しい部分なので、同じ事を眼球で試してみてください。やはりどこかで「かくっ、かくっ」とスピードが乱れるところがあると思います。

顔の表情をサドルに(微妙に)動かすことって、とっても難しいのです。だから、それができる役者は天才と呼ばれたりします。

日本の役者、特にモデル役者は顔をゆがめたり、目を見開いて驚いてみたり、とっても忙しい演技なのです。現実の世界でのリアクションを演技だと勘違いしているので、カメラに写ると大げさなアクションに見えてしまうのです。

役者自身が自分の脳が感じる筋肉の動きと、カメラに写った後の自分の姿をマッチさせることができません。今の若手俳優/女優で凄いなぁという、お金を払っても見たいと思える演技をしている人は少ないです。

それに、この頃は演技力の低下を補うために、どたばた喜劇風のアップテンポのデュエットソングみたいな、掛け合いのシナリオが多いため、余計にアクションが大きくなってしまう傾向があります。

眉毛が動いたことすら分からない、映画館の巨大な画面で見ていても、観客が筋肉の動きに気がつかないほど顔を微細にコントロールできるという点では、やはりハリウッドは強力だと思います。

一発屋的な印象を狙うより、サドルな感覚を持った人が増えてほしいと思いますが、問題は

視聴者が一発屋を好む

という所でしょうか。様々な分野の技術力が落ちているのは、技術者(役者なども含めて)だけが悪いのではなく、

社会がそれを見る目を失ったから

だと僕は思います。これは、全ての人に責任がある。

どこかで止めないと、びっくり箱みたいなもので世の中があふれかえってしまいます。

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