心にトゲ刺す200の花束―究極のペシミズム箴言集
を読みました。
20分で読める本です。
「ものは言いよう」的なプラス思考の本の向こうを張る、ペシミズム、つまり悲観主義の言葉集です。
読んでいると笑えます。
ビクトール・フランクルという「夜と霧」の作者である心理学者が、ナチスの強制収容所の中で生き延びた体験を書いていますが、その中では、
クリスマス前には開放される
という根拠のない希望を持った人は早く挫けていった、とあります。
それよりむしろ、今、まさに自分がいる状況、ここでは収容所の中での苦しい生活、を冗談にして笑い飛ばすことが出来た人が強いのだそうです。
例えば、収容所では食事時間にスープをもらうとき、具の方が少し重くて沈んでいるため
「なるべく下の方からすくってください」
と言ったのだとか。それを、自分が開放され自由になって、元の生活に戻ったとき、友人のパーティーで、
「なるべく下の方からすくってください」
って言っちゃいそうだ、とみんなで笑ったのだとか。
自分の状況を笑えるくらいの方が、色々な物事は好転しやすいものだということです。
この本を読んで笑うことには、大きな意味があると思います。
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