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戦争をどう教えるか?

そっぴくんの今一番好きなオモチャはというと、

100円ショップで買ってきた射撃セット

です。
吸盤がついた弾を飛ばせるライフル型。

それで、僕がアメリカ土産に買ってきたグリーンソルジャースを並べて、スナイパーごっこをやっています。

はたから見ていると、10年ほど前に流行った残酷ゲームさながら。
人間の形をしたものをパンパン撃って、倒して遊ぶんですから。
ふと、

こんなことやらせてて大丈夫か?

と思いました。
でも、おそらく大丈夫でしょう。
僕は子供の頃、零戦や戦艦大和が大好きで、プラモデルや本、図鑑、テレビ、映画などなど、手当たり次第に見たり触ったりしていたのです。

でも、そうして戦争に触れる機会が人より多かったために、いつしか戦争が勇ましくて格好いいものではなく、別の面があるのだという資料とも、自然にしかもかなり小さい頃から出会うようになりました。

そりゃそうです。
図書館で片っ端から戦争の本を読んでいったら、早晩、そういう悲しい話に出会います。

ひめゆりの塔
きけ、わだつみのこえ
硫黄島
回天
戦艦大和の最後
特攻隊

そして、はだしのゲン です。

兵器は工学的なもので、研究の末に出来上がるもの。
だから、デザインは美しくなってしまいます。
皮肉ですが、デザインとはそういうものです。

今でも最新の戦闘機を見ると、その姿にうっとりします。

だからって、戦争を肯定するのか?

というと、全く違う。

子ども達に、攻撃的なものを見せないということは、逆効果ではないかと思います。どんどん戦争について知りたがるようにし向けていけば、戦争のいろいろな姿に触れる機会が増えてきます。

そこで、ハッとするわけです。

ただし、怖いことがあります。
インターネットのように、自分の好きな情報だけをかいつまんで、

不要な情報
不快な情報

を簡単に排除できる仕組みがあることです。
そうすると、子供の感受性の強い時期に

戦争のいろいろな面に触れる機会

を失います。
世の中には、戦争を肯定するもっともらしい主張もいっぱいありますから、好きなのだけを選んで

やっぱりそうか!
戦争も仕方がないんだ!

と納得してしまうことは簡単なのです。
子供がまんべんなく情報に触れるよう、親が上手にリードしていってあげなければなりません。

リードする自信がなければどうするか?

簡単です。
アナログの要素を多く取り入れればいいんです。
図書館へ行って本を選べば、他人の書評や、ド素人の論評抜きで、自分の感性で本を選ぶようになります。

選ぶうちに、自ずとこの世には自分の信じる以外の視点があるんだと気付くようになるはずです。

あまり、子供の生活、子育ての中に

便利

というものを持ち込まない方がいい、というのが僕の個人的な意見です。
とりあえず、憧れでも良いから、戦争という事実があったのだというところから始めるほうが、

何も知らないよりよっぽどマシ

です。

一番怖いのは、何も知らない人達なのです。

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