手塚治虫の
ルードウィヒ・B
を読みました。
ベートーベンの生い立ちを手塚治虫が味付けして描いたものです。
かなりの苦労人で、パン屋の上階のアパートに住み、家賃の滞納でトラブルになり、飲んだくれのオヤジからピアノを習い・・・という生活が描かれています。
ベートーベンに詳しくないので、実際のところがどうだったか知りませんが、読んでいて思いました。
音楽家として成功したい方、または子供を音楽家にしたい方、
ベートーベンの住んでた家、買います?
文化財的な価値としてでなければ、誰も買わないでしょう。
でも、おかしくないですか?
東大合格者の部屋
ならマネするけど、ベートーベンの育った家はマネしない。
どうしてでしょう。
不思議です。
更に面白いのは、ベートーベンは引っ越し魔だったとこの本には書かれています。
どの家を買えば、ベートーベンみたいになれるんでしょう?(笑)
彼の住んだそれぞれの家には、当然のごとく次の住人が入っていたはずです。
それも何世紀にも渡って!
ベートーベンは大量生産されたのでしょうか。
怪しいね。
きっと日本では、中古住宅を売るとき
「東大合格者が住んでいた家です」
という宣伝文句をつけられる家なら、相場以上でも簡単に買い手が付いてしまうような気がします。ウソはいけませんから、もし中古住宅を高く売りたいなら、
自分の子供を東大へやりましょう!
そうすれば、家の資産価値はグンと上がります。(笑)
買う人がいれば、“資産価値” なんてのは、合理的な理由がなくても上がるのです。
子供にとっては迷惑な話ですけど、資産のためです。
仕方がない。
でも、ここでも不思議なことがあります。
子供の学習環境を整えれば、教育効果が上がると考えているその根拠は?
ベートーベンと同じ家に住んだところで、厳しくピアノを教える飲んだくれのオヤジは付属しません。東大生と同じ部屋に住んだとしても、その周りの環境、特に人間関係に関する部分は全く異なるわけです。
いわば、最重要の部分には目を向けないで、お手軽な部分だけを重要視する
親自身も子供と同じように努力しなければならないことは、子供には絶対内緒なんです。
努力といっても、夜食作ったり、塾に送り迎えをすることじゃなくてね。
おかしな話です。
ビルゲイツがマイクロソフトを創始した小さな事務所や、アップルが生まれたガレージを、
「ここから起業すれば、大成功できる!」
と本気で思う人はいません。
仮にそこで仕事をすれば、モーティベーションを高く保つことはできるでしょうが、成功の要素はもっと他にあることくらい、常識的に考えればすぐに分かります。
でも、子供のこととなると
目先が曇る
この先、絶対出てきそうです。
「東大生が育った家」
「オリンピック選手が育った家」
「野球選手が育った家」
:
なんて方向性の商品が。
間取りだけマネして。
同じ間取りでも、山の上にあるか、海辺にあるかで人間性って変わるってものです。
あ、そういえば LOHAS ロハス ってどこ行っちゃったんだろう!?
持続可能な生活だったはずなのに、あっという間に終末を迎えたみたい。(笑)
そういうもんです。
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