僕は自分が良い叱られ方をしてきた経験がないので、叱り方は悩みながら、失敗しながら覚えています。
今までそっぴくんを叱った中で、一番よかったのは、
むちゃくちゃ叱りながら褒めたとき。
例えば、そっぴくんはこの歳の子供特有、集中力がカケラもありません。(笑)
ハーモニカを一生懸命練習しなければならないときに、ぐねぐねだらだらしているので僕が叱りつけたことがあります。すると今度は、オドオドビクビクして僕の話を聞いているわけです。
怒り出してしまうと、僕もフルオン(最大ボリューム)になってしまい、
やばい、歯止めがきかないや
と自覚しながら、怒りはエスカレート。完全に自己嫌悪の叱り方です。
一度叱ってしまうと、その後はなかなか笑顔には戻れないもので、叱った後もブスッとした顔つきをしたまま座っていました。
叱られたそっぴくん、ハーモニカを取り出して練習を開始しました。
普段から練習していないから下手くそです。
でも、かっこつけたいから焦る。
焦れば焦るほど下手になる。
彼は勘違いをしているのです。
自分が叱られた理由は、練習をしていないからなのに、
下手だと叱られる
と思っている。これは良くないわけです。
練習しているうちに、いつも詰まっていたところがスムースに吹けました。そこで、僕は思わず、
「おっ、すごいやん。やればできるやんか」
と大声で褒めました。
あんなにブスッとしていた僕が、顔は怒ったままなのに
褒めてくれた
そのギャップが理解できないそっぴくんは、目をぱちくりして、
褒められた
という事実に気付くまでにずいぶん時間がかかりながらも、僕が怒っているのではなく、自分のハーモニカを褒めてくれたと理解できた瞬間、
満面の笑みです。(笑)
それからはムキになって練習を続け、そうなると欲張るものだから上手く吹けない。
そうそう安売りして褒め散らかしても仕方がないので、そのまま放っておくと、
1時間も練習していました。
子供にしては上出来です。
こういう叱り方もあるのだな、と我ながら驚きました。
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