本当に人を変える言葉は、派手な言葉ではないと思う。
10年くらい前までの僕は、何か失敗すると責任転嫁をするタイプでした。自分は素晴らしい思想を持っていて、いつも正しい。一緒に住んでいた彼女(現妻)は、僕の夢を応援してくれていたのに、僕はといえば機嫌が悪いと当たり散らす横暴さ。暴力はありませんでしたが、人を責める言葉は暴力と同じです。
そういう僕の目を覚まさせて、大反省の後に自分の性格を変えさせた言葉は、哲学の教授の言葉。
教授 「今は何時だ?」
学生 「・・・? 8時です」
教授 「じゃ、NYは何時だ?」
学生 「えっと時差があるから、11時です。何の問題ですか、これ?」
教授 「じゃあ、イギリスでは?」
学生 「・・・時差が・・・・」
教授 「じゃあ、日本では?」
学生 「ちょ、ちょっと待った。時差を計算・・・夜の12時くらいか・・・」
教授 「じゃあ、月は今何時だ?」
学生 「・・・・は?」
教授 「太陽は何時だ?」
学生 「・・・・・????」
この言葉を聞いたとき、スッと血が引く感じがしたのを覚えています。
自分の信じているものはひょっとしたら全部嘘かも、全部間違っているのかも、と急に自信がなくなりました。何を根拠にあんなワガママに正当性があると言って、相手がどんな主張をしても“論破してやる”といい気になっていたのか?
「太陽は何時だ?」
どうってことない言葉を聞いて僕がここまで反応したのは、どこかで自分自身の臆病さを必死で隠そうとしている事に気付いていた証拠。教室にいた他の学生は、カラカラ笑っていただけですが、僕は「自分を変えなければ」と思った。
今では事あるごとに僕の昔の暴君ぶりが、妻の口から冗談として出てきて、からかわれる役になってしまいました。臆病を隠すための“うぬぼれ”や、思いやりのない“論破”なんて、なんの価値もないつまらないものです。
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